9.決勝戦
弾丸MAMAER 対 東京セレソンDX (2006.8.23)
スカパーのフジテレビ721「インプロ!」の第9回(8/22放送)はいよいよ決勝戦! 弾丸MAMAER対東京セレソンDX。
まずは15分3人芝居の「3on3」。シチュエーションは「結婚式」。お題1は「金属バット」、お題2は「誰かにキスしたくなる」、お題3は「甘い罠」、エンドセリフは「この勝負、俺達の勝ちだな」でした。
先攻は弾丸MAMAER。3人の関係は、新郎とその友達二人。この三人はかつて族仲間。式を前にして思い出にひたる。いつものようにリーダーが話をうまくころがしていく。二人が絶妙に返す。これまでの3on3の中でベストのでき。後攻は東京セレソンDX。三人は無謀にも「ゆかた」を着て登場。与えられた「結婚式」という設定にとまどうが・・・。三人の関係を「結婚式の余興で呼ばれたお笑いトリオ」として絶妙に回避。式を前に、なんのネタをやるか相談。親に挨拶に行くとヤクザが・・・。
代表一人ずつで戦う1on1。シチュエーションは「無人島」で、役柄設定は弾丸が「プロレスラー」で東京が「マジシャン」。今回はさすがに「無人島」という設定は最後まで生きていたが、役柄が薄れがち。マジシャンの設定はさすがに生かしようがない。プロレスラーとしては「体力」を前面に出してはいた。
床に散らばった紙に描かれているセリフを拾って対応する「ノート」。この日のものは「今日はフジテレビジョンが来てるんだぞ〜」「左足のくるぶしがぁ〜」「いちごバナナもんじゃ食べに行こうよ」「あ、古傷が痛くなってきた」「ねぇメルアド交換しようよ」の五つ。東京セレソンの人が一枚使えず。
こちらも多くは弾丸MAMAERの人が展開させていた。攻める弾丸MAMAER、受ける東京セレソンDXという図式。
観客の投票による勝敗は・・・弾丸MAMAER!
優勝した弾丸MAMAERには小ぶりのトロフィーが贈られ、次回、その優勝までの軌跡が紹介されるという。その場で豪華副賞が授与されるという。
10劇団が参加したこの「インプロ!」だが、優勝した弾丸MAMAERがひとつ抜きん出ていた印象。「インプロ」は「ゲーム」であり、ただの即興劇やエチュードとは全く別の技術が必要。その意味で、弾丸MAMAERはインプロの経験を感じた。「慣れている」とまでは言わないが(ある意味でインプロに慣れはないから)、基本はできていた。それでいて、役者個々の演技の確かさが光っていた。ネタにせずに、芝居にできていたのは、演技力以外のなにものでもない。セリフを聞いて対応する、という基本がきっちりできていた。
総じて、知り合いのインプログループの中には、はるかに優れた舞台を生み出しているものがあることを知っているので、ちょっと物足りなかった印象が残った。あえてインプログループを登場させず、「普通の劇団」で戦わせた意味は理解できるが、「インプロの面白さ」をテレビで見せる、という意味では、ある程度インプロのキャリアも必要ではないかと思ったが、どうだろうか。
それにしても、7月22日深夜にフジテレビで放送になった「FNSソフト工場『ON THEATER 爆笑探偵団』(北海道文化放送制作)」も即興を見せるものだったし、イッセー尾形の「二人芝居ドラマ」もまた即興劇だ。バラエティやお笑いではハプニングものが隆盛だが、とうとう演劇にまで「即興」が侵食してきたということだろうか・・・。
フジテレビ721「インプロ!」
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