1999.11.08
坂手洋二インタビュー
by 一寸小丸
「いかに自衛隊がダメであったか。そのことを知っていただきたいんです。」
坂手洋二は壇上からパルコ劇場の観客に向かって、激しくアジっていた。阪神大震災における自衛隊の初動のダメさを、逐一データを示しながら大声で演説していた。それまでの劇作家さんたちのノンキな出し物と、全く毛色の違ったものである。阪神大震災のチャリティ企画であった劇作家協会主催の1日限りのイベントは、その10分間だけが全く性格の違ったものであった。
その場の雰囲気には全くそぐわない演説であった。まるで青年将校であるかのように…。唐突に始まった場違いな演説に、私はちょっと笑ってしまった。けど、同時に、ちょっとだけ、かっこいいと思った。
坂手洋二氏は、今の演劇界にあっては、最もアクティブで、最も過激な存在である。ハデな事件は起こさないが、時に静かに、時に大声で、自説を披露する。こういう存在が、いまのこの国には必要なんだよねえ。もっと広い場所で、坂手さんにアジってもらいたい気もするよ。
ところで、今度の新作は1年半ぶりだとか。この間、アメリカ留学もしてきた。この新作には手塚とおるや小林さやかといった、いままでの燐光群には考えられないような出演者も登場する。何かが始まる予感・・・。期待して、インタビューを始めた。
(インタビューは週刊FSTAGE編集部員の一寸小丸により、11月8日深夜1時より電話にて行われた。稽古が0時まであり、その後も打ち合わせが入ったとかだが、全く疲れた様子が感じられない坂手さんであった・・・)
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