週刊StagePowerTopPage
日刊StagePower

乾坤一滴
NYの日本人俳優
西山水木の使い方

野平総研!!
テレビ文芸時評

レコメンの殿堂
お気楽鑑賞記
目撃者
TheStageTribune
特集:さいたまGT
特集:小劇場史
週刊SP企画室

NEWSバックナンバー
過去の連載・記事
取材のお願い
Onlineインタビュー
このサイトは?
The STAGE Tribune
(since 2003.1)

【No.009】

2002年から2003年への旅

東京と大阪の落語界の違いの一つに真打昇進制度というのがある。これでお認めいただいたという通過儀礼的要素も強い。しかし2002年現在寄席の楽屋で、お披露目パーティ等莫大なお金がかかり幹部の師匠方を接待しお披露目口上は大喜利化している真打昇進に憧れる噺家はまずいない。もちろん私もその一人。

そんな中2002年春真打に昇進。

仮に4年に一回ドラムロールが鳴る中「第〜回真打昇進は〜彦いち!!」と言われたら泣いて喜ぶだろうが現実は「どうも・・・」とあっけなかった。

反骨者!?としてここは一つ「辞退させていただきます!」と言ってみてはと頭をよぎったが次いつなれるかわからないので即止める事に。

通常、お披露目興行では高座も華やかに飾り物が備え付けらる。「おだん」(相撲で言うタニマチのようなことではあるが規模は小さい)をもたずルール無用の私は「こうなったら〜!」とアウトドア誌「BE-PAL」に「アウトドアにインドアの風を〜〜、読者増えますよん〜」と言って後ろ幕、のぼりを作っていただく。高座の飾り物だって夢枕獏さんにいただいた空手のキックミット、A&Fからフェザークラフト社の5メートルのカヤック(一人乗りカヌー)。カヤックの前に落語協会幹部が並ぶ。カッチョイイ。何がなんだかわからない。こんな昇進興行、我ながらヘンである。

「ヘン」に気をよくした私らはいまや楽屋の常識となりつつある幹部をお誘いしての打ち上げも止めにして若手だけでカレー打ち上げ「ナンパーティ」をやったりしていた。後で大変なことになったのだが・・。

そのおかげか僕自身はもの凄く楽しい日々を過ごすことが出来た。寄席披露興行、紀伊国屋サザンシアター披露興行、パーティ、地方のお披露目公演・・・で多くの関係者、仲間、お客さんに助けていただいた。普段照れくさくて言えない事を口に出来たのも大きな財産になった。

ある後輩が「真打っていいですね」と言ったので「そうだな。」と答えた。

真打という黒帯を締めて2003年はこれまでと変わらずルール無用で闘っていく所存でございます。

||--hikoichi.com★--||
清水宏・忌野清志郎・彦いち、狂気の三人(2003年01月の日記から)

熱血落語家
林家彦いち
2003.2.6


INDEXへ back next