2008.4.19
決着!新宿梁山泊vs劇作家問題!
かつて劇団新宿梁山泊の座付き作家であった鄭義信が、退団後に自作の無断上演差し止めを要求したことから始まった劇団対劇作家のバトルが決着した。劇団側が上演権を主張し、訴えていたわけだが、請求を放棄し、作家の主張を受け入れた。
劇団側の主張は、作品は作家ひとりのものではなく、役者や演出家などが共同で創作するものであるから、上演権は劇団にあるというもの。これに対し、作家は「脚本:鄭義信」の名でクレジットされている限り、著作権・上演権は作家に帰属するという主張だ。結果的にはこの作家の主張が認められた形。
実際問題、作品は共同作業で作られる。しかし、かつて三谷幸喜が作品の「脚本」のクレジットを「東京サンシャインボーイズ」としていたように、劇団扱いにするのであればクレジットもまたそうしなければならないだろう。作品のベースとなる部分を生み出し、孤独な作業を強いられる作家の創作は重んじられるべきだ。たとえクレジットがどうであっても尊重されるべきだろう。そして、劇団と作家は対立する関係ではなく、共生すべきものでもある。新宿梁山泊は今後、鄭義信作品の上演は控えるということだが、和解した上で上演されることを期待したい。新宿梁山泊によって上演された鄭義信作品は、他では不可能であるものも多いのだから。
2007.7.7■鄭義信×新宿梁山泊で上演権バトル
2007.7.26■鄭義信、劇団「新宿梁山泊」と和解
2007.8.28■新宿梁山泊、上演権求めて提訴
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