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【No.003】

劇団Beansの2002年

 劇団Beansは愛知県の北部にある扶桑町という小さな町で1995年から活動している社会人劇団です。

 ちなみにこの扶桑町という町は一部コアな演劇関係者には知られている(かもしれない)扶桑文化会館という演劇ホールがあり、兼松個人はこの町の公務員の立場で建設にもかかわっていました。そんな縁もあり劇団をもつにいたります。

 劇団Beansの2002年は本公演2本、番外公演1本、プロデュース公演1本の計4本の公演を打ちました。社会人劇団としてはかなり多い数の公演回数だとは思います。

 この4本の公演は劇団内の様々な立場で様々な形態で行ないました。本公演はもちろん劇団全体のものとして行い、番外公演は劇団に入って日が浅い劇団員が中心となって行い、プロデュース公演は劇団として初めて外部の役者と舞台を共にする経験をしました。この4本の公演を通して感じたことは、お客さんの満足とやる側の満足は意外にも一致するということです。もちろんあくまで相対的な話なので、上を言えばキリがないわけだし、逆もまた然りですが。ただ、その結果を前向きにとらえることで、この先の芝居作りの勇気に変えていける事実でした。

 最近の悩み事としては、きっとこれは芝居作り以外の部分で永遠の課題になろうかと思いますが、お客さん集めの点です。旗揚げ当初は劇団の勢いと、この地域に小劇場系の劇団があるというもの珍しさからか、会場に入りきらないほどのお客さんに恵まれていました。しかし時を重ねるにつれて、お客さんが一人減り二人去り、という状態になってきました。芝居の質は上がっているのに何故だろうという思いは正直あります。でも同時にこれは、売り込み方が下手だったんじゃないかということだろうと思います。その部分でこれから先考えていかなくてはいけない部分だろうと思います。

 また、社会人劇団ならではの悩みかも知れませんが、劇団員各々が本職を持ちながらあいた時間を芝居づくりに使っているわけで、誰一人として芝居と心中しようと思ってやっているわけではありません。それ故、芝居に割くための時間を生活を犠牲にして割くと言うところまではやっていません。なので、もう少し時間があれば・・・と思うことの連続だったりします。そこが社会人劇団の限界でもあるし、同時にいいところだとも思っています。

 いま、劇団Beansは過渡期に来ています。さまざまなメンバーチェンジがあり、昔からいる劇団員と比較的最近入ってきた劇団員との人数比が逆転しました。傍から見るとまったく違う劇団と言っても言い過ぎではない状態です。ここでもう一回集団づくりをやり直して、新しい劇団として生まれ変わっていければと思っています。そして、それが2003年の目標になって行くと思います。

 大都市で公演している劇団ではないので、名前すら多くの人の目に触れるわけではないですが、だからこそ地域のなかで今まで芝居をやって来れたのではないかと思います。最近では、たまたま飲み屋で隣に座った人から「長いことがんばっとるな、お金を出してやる。」といわれスポンサーになってもらったり、舞台を作る木材やイントレも無償で提供してくれる企業に恵まれたりしてます。きっと地域にそこしかない劇団だからこそ、こうやっていろいろな人が応援してくれるんだと感じるのです。そして我々もその期待に応えよう、地域からもっと愛される劇団になろうと、これからも精一杯頑張って行きたいと思います。

劇団Beans

劇団Beans代表 兼松孝行
2003.1.23


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