2007.3.13
30-DELUXの挑戦、アイドルとの融合は?
30-DELUXの次なる挑戦は・・・ハロプロとの融合(決闘?)なのか・・。
小劇場界の精鋭4人、劇団☆新感線所属のタイソン大屋、元キャラメルボックス佐藤仁志、元MOTHER清水順二、Aflo13所属でゲームシナリオライターとしても活躍する佐々木智広らが集まり、30-DELUXは2001年に旗揚げした。前回の第5回公演では東京・大阪で3000人を動員している。
このユニットの最大の特色は、毎回作・演出が変わること。小劇場界の注目の劇作家・演出家が登用されている。また、出演者もさまざまな劇団で活躍する注目俳優が毎回集められる。言わば、現在の小劇場界の動向が見て取れる劇団なのだ。
確かに「現在の小劇場界」と言ってもさまざまであり、肉体系から会話系、エンタメ系、ハートウォーム系、どろどろ系といろいろだ。その中の、エンタメアクション系のかなりの部分を集めて、毎回公演を行っていると言えそうだ。なんと言っても、30-DELUXの志が、芝居・ダンス・アクション・音楽などにおいての一級品を目指しており、「極彩色スピリチュアルエンターテインメント」を金看板に掲げているのだから。極彩色でスピリチュアルでエンタメなのだ。意味不明だが、なんか大変そうじゃないのか・・・。
さて、毎回変わる作・演出であるが、今回の公演(第6回「BLUE」)は佐々木智広が旗揚げ公演に続いての登場。なんと言っても、これまで中心メンバーの4人全員が揃う公演がなかったのだが、今回は全員集合であることがニュース。さらに、ヒロインをハロプロのアヤカ(ココナッツ娘)が務めるのも注目。ココナッツ娘ってアレですよね。ハワイ在住の娘たち4人のユニットで、現在はアヤカ一人になってしまっているという・・・。それでもハロプロ所属ですから、きっと演劇なんて「モー娘。ミュージカル」ぐらいしか見たことないような善男善女が見に来るのでしょう・・・(小さく不安)。
しかし、30-DELUXのチャレンジは対ハロプロだけには止まらない。今回は、魔法戦隊マジレンジャーのマジシャイン役・市川洋介や、超人気声優の稲田徹、長沢美樹なども出演する。小劇場で活躍する小椋あずきや斉藤麻英子、IKKANらも。なんかもう、どこまで顔が広いんだ清水順二、と思ってしまう。
第6回公演「BLUE」は3月15日から。東京は新宿・シアターサンモール。その後、3月24日からは大阪・一心寺シアターで。3000人動員というのは、そう簡単に達成できる数字ではないが、まだまだ軌道に乗ったとは言いがたいものだ。なんせエンタメはコスト高ですから。せめて5000は超えないと。とにかく、小劇場界は今、とっても過渡期であり、新しい作家の登場が大々的に注目されている。同時に、商業系の演劇の成功も大きく喧伝されている。その意味で、30-DELUXのような小劇場テイストのエンタメ系劇団が成長することの意義は決して小さくない。頑張ってもらうしかない。
すごいメンバーが集まった。しかし、それで面白い作品ができるとは限らないのが演劇だ。30-DELUXの考え方が間違っていないことは知っているが(企画室の30-DELUX取材参照)、それがどう作品に反映できるのか、不安と期待が入り混じる。その意味で、30-DELUXを知り尽くす佐々木智広氏の再登場が楽しみ。チャレンジは続けていって欲しいと願いつつも、作品のクオリティも求めてしまう。役者が素晴らしいのは知っているのです。はたして今回の作品は、きっちり仕上がっているのでしょうか・・・どうでしょうか?
30-DELUX The Sixth Live「BLUE」
作・演出:佐々木智広
東京公演 2007年3月15日(木)〜21(水祝) シアターサンモール
大阪公演 2007年3月24日(土)〜25(日)一心寺シアター倶楽
●劇団HP
●公演詳細
企画室「30-DELUX取材」
(ニュースリリース)
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