朝日新聞が7月12日朝刊文化面に、「文学界に小劇場の感性」と題した特集を掲載した。芥川賞にノミネートされている本谷有希子を切り口とし、松尾スズキや前田司郎、岡田利規などを採り上げ、「小説の型にとらわれない独自のスタイルを持つ小劇場系の劇作家たちが、純文学の新たな表現の担い手として注目されている。」としている。

掲載されているのは、本谷有希子の芥川賞候補作「生きてるだけで、愛。」、前田司郎の三島賞候補作「恋愛の解体と北区の滅亡」（講談社）、岡田利規の岸田賞受賞作の小説化作品「三月の５日間」（新潮2005年12月号掲載）など。また、毛皮族の江本純子の初小説「股間」が８月４日刊行予定だとか。リトル・モアより。

むむっ、三島賞って、去年は本谷が、今年は前田が候補になってたのね。２年連続だ。

過去にもつかこうへいや唐十郎など、舞台人の小説が高く評価されたことはあった。それらと比べ、今回の現象は「違う」としている。つかや唐は演劇活動で有名になった後で、演劇的な手法を小説に持ち込んだものであるのに対し、現在のものは劇団の知名度もあまり高くない状態で、舞台とは違った小説ならではの世界を構築している、としている。

週刊ＳＰ：2006.07.03■本谷有希子、芥川賞候補に
週刊ＳＰ：2005.11.08■岡田利規「三月の５日間」小説化