11月25日の火災以来休館となっていた上野・鈴本演芸場での2004年正月初席の興行が実施されることが、鈴本演芸場からの連絡を受け、12月26日、落語協会より発表されました。法規に基づく改装工事を経て、上野消防署からの興行の許可が出たものです。

12月26日17時に発行された落語協会メールマガジンは、このニュースを早速「号外」として伝えました。

寄席、演芸に関係する者にとりまして、初席興行は特別の意味を持つものでございます。その初席興行を行うことができるようになったのは、大変に喜ばしい事です。

以下、鈴本演芸場・席亭、鈴木寧氏のコメントからの抜粋です。

火災により、関係各位の皆様、近隣の皆様、そしてなによりも寄席、落語ファンの皆様に多大のご迷惑とご心配をおかけいたしましたこと誠に申し訳ございませんでした。そして一人の尊い命が奪われましたこと残念の極みでございます。心よりご冥福をお祈り申し上げる次第でございます。（略） 　寄席として初席興行が打てますこと、皆様に初笑いをお届けできますこと、感謝の念で一杯でございます。

また、落語協会・三遊亭圓歌会長の「ごあいさつ」には決定までのいきさつが次のように記されています。

待ちかねていた知らせが届いた喜びでいっぱいです。（略） （初席興行開催の）見通しがつかない日々が続きあきらめかけたこと、他で興行を行うことも視野に入れた会場探し、どうなるかわからない興行のための手探りの準備を行う等、試行錯誤の毎日でした。

ＮＨＫの夜7時のニュースも、さっそく第一報を全国に向けて放送しました。そして12月28日にお祓（はら）いを行い、興行は元旦から再開されます。

初席を含めての鈴本演芸場の今後の興行については下記の通り。

◎初席興行（1月1日〜10日）は予定通り行われます。切符は全席当日売りとなり、1部は自由席、2部・3部は指定席となります。

◎また、1月31日までの興行は通常どおり行われますが、2月1日〜29日までは改装工事のため休館し、3月より　リニューアルオープン、とのことです。

なお、今後の状況によっては興行内容・予定などに変更が生じる場合も考えられます。また、初席はかなりの混雑も予想されますので、お出かけの際には、関連ホームページなどでのご確認を随時、お願い致します。

落語協会ホームページ（鈴本演芸場仮設ホームページ有）

参考：2003.11.26■鈴本演芸場で火事、年内休館か？

東京新聞12/13夕刊の記事によると、亡くなられた女性は火事を通報しようと事務所から電話をかけようとして、煙に巻かれたそうです。ご冥福をお祈りします。（じ）