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2010.2.1
首相の施政方針演説と平田オリザ

「首相動静」によると、鳩山首相が施政方針演説を行った1月29日は、午前10時41分から松井官房副長官(参院議員)と平田オリザ内閣官房参与と三人で作戦会議を行っていた。演説のリハーサルだ。午後からは三人で昼食。松井議員はこの日午後1時からの演説の台本を書いた。演説の稽古を指導し、演出したのは平田オリザ氏。その結果、演説の冒頭で「いのちを、守りたい」という芝居がかったフレーズから始まるそれが誕生した。「まるで演劇のような」とテレビが紹介していた・・・。

平田氏らの関与は昨年の所信表明演説から。主に台本は松井氏が書くが、内容に関しては、鳩山首相が構想を披露し、枝葉を松井氏がつけ、平田氏が監修する形。施政方針演説の最後に神戸の震災を持ってきたのは平田氏のアイディアだとか。

翌30日の読売新聞は「首相の演説を国会傍聴席で二人の側近が見守っていた」と一面トップで報じている。朝日新聞は、3面社説横の欄に大きな活字で「平田オリザさんらと構想」と紹介している。松井氏が草案を披露したのは1月26日。居並ぶ閣僚の前で松井氏が感極まっての涙声で読んだのだとか。

鳩山首相が演説作りに着手したのは12月30日。インド訪問から帰国し、松井氏、平田氏との意見交換を行い、「七つの大罪」「いのち」などを中心とすることが決められた。その後、首相と松井氏との間で推敲が重ねられ、菅直人氏の意見も加えられていった。また、演説の結びが弱いという意見に対し平田氏が、震災の被災地に立った「鉄人28号」のエピソードを追加したという。

かつて、首相の演説は役人が書いたものを読んでいた。様変わりだ。オバマさんが有能なスピーチライターと出会い、その才能を認めて抜擢した話は有名。演説が一人の政治家を大統領にし、ノーベル賞を獲らせる。人が書いた難しい漢字を読めない首相を持つ国としては、うらやましい限りだったが、それも過去になろうとしている。国の顔となるのだから、うまく演じることのできる役者であってほしい。もちろん、手足となる閣僚がちゃんと動けることも重要だが・・・。

読売新聞「施政方針は作・松井副長官、演出・平田オリザ参与」

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