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2008.11.30
迷走か? ライブスパイアのその後は

舞台作品を撮影し映画館で見せる試みというと、イーオシバイが展開する「ゲキ×シネ」と、松竹が山田洋次まで担ぎ出した「シネマ歌舞伎」が2大勢力だが、第三の存在としてクローズアップされているソニーの「Livespire」もまた注目だ。ゲキ×シネは2003年より、シネマ歌舞伎は2005年にスタートしたが、Livespire第一弾は今年5月に音楽座ミュージカル「メトロに乗って」で開始された。

ゲキ×シネは劇団新感線関連のハデなエンタテインメント芝居が中心。シネマ歌舞伎は勘三郎主演の新しい試みの歌舞伎が中心であり、多くの観客を獲得している。これに対しLivespireは第一弾が音楽座、第二弾(6月)がアミューズとネルケプランニングが制作した「FROGS〜フロッグス」と、ターゲットがわかりにくいラインナップとなっていた。7月以降はどうなるのかと関心を持って見ていたら・・・。第2弾で「本格始動」を歌いながら、第3弾は「UKオペラ@シネマ」というもの。グラインドボーン音楽祭から「ジュリオ・チェーザレ」と「ヘンゼルとグレーテル」、ロイヤル・オペラ・ハウスから「フィガロの結婚」と「カルメン」を選んだ。確かに、本場のオペラはめったに見ることはできないわけだが・・・。12月から来年にかけて順次上映していく。

さて、11月になり、Livespire第4弾が発表となった。その作品は・・・キャラメルボックスの「嵐になるまで待って」! うーん、やっぱりそっちに来たか、という印象。現在製作中で、公開は来年1月を予定。さらに、キャラメルボックスの「君の心臓の鼓動が聞こえる場所」もLivespireで上映する予定だとか。

おそらく、ゲキ×シネもシネマ歌舞伎も舞台関係者が中心となって「舞台よりも多くの人に」との発想で映画館上映が企画されている。しかしながらソニーのLivespireは、そもそもデジタルシネマ機器の普及が目的であり、映画畑の発想から企画されているように思える。つまり、ライバルは映画であり、映画のヒット並みの動員が期待されているのではなかろうか。2ケタぐらい違う感じ。もちろん、目標は高いに越したことはないわけだが。

アメリカのソニーがやっている「ザ・ホット・チケット」のほうが参考になるんじゃなかろうか・・・どうだろうか。

ライブスパイア
2008.5.25■米ソニーもデジタル映像配給

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