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2008.8.14
終結!? 新国立劇場芸術監督交代問題

演劇人有志らによる「再請求」に対しどう回答するのかと注目されていたが、新国立劇場制作部は(勝手に)終結宣言ともとれる声明を発表した。

新国立劇場の演劇部門芸術監督の唐突な交代に対し、その経緯・手続きの詳細開示が求められていたわけだが、新国立劇場ホームページに掲載された声明は要約すると「心配かけてます、鵜山現芸術監督と話し合ってます、ご理解とご支援をお願いします」というもので、演劇人らの求めは完全に無視された状態。「あとは当事者(制作部と鵜山氏)同士で話し合いますから」というもの。

確かに、長々とこじれるのは良くないのかもしれない。現芸術監督の任期はまだ2年もある。さらに交代して着任する宮田氏にとっても気苦労が多いものとなる。なんせこじれた(芸術監督と制作部の)関係を引き継いでいかねばならないのだから。その意味で「あまり引きずらずに」と幕引きを狙ったものなのかもしれない。良く解釈すれば。

しかし、問われているのは「制作部」の「独善的」とも言うべき「手順」であり、演劇人サイドは「演劇と芸術監督に対する冒涜」とまで言及している。それに対する最良の回答は、「交代を撤回する」ことでも、「がんばります」とか「改めます」とか宣言することでもない。「演劇人と話し合いましょう」「交流しましょう」「コミュニケーションしましょう」「同じ席につきましょう」というものしかない。そういう「場」を持つことでしか回答にならないと考える。難しいことだろうか・・・。

やはり問われているのは「お役人的な処理」のような気がする。役所ならそれで済んでも、相手が演劇人だと、そうはいかないのではないだろうか。せっかくのチャンスなのだから、ぜひとも公開討論会(お役人にはつらい場かもしれないが、やり方によっては素晴らしい場となるはず)を実現してもらいたい。

下記は新国立劇場ホームページの「新国立劇場について」内「新国立劇場最新ニュース」に2008年8月4日付けで掲載されたもの。当初はトップページにリンクがあったが、今は「過去のニュース一覧」として格納されている。
新しいシーズンを迎えるに当たって
 次期芸術監督をめぐる問題につきましては、多くの方にご心配をおかけいたしております。
 鵜山演劇芸術監督は、現在ご自身の任期を全うされる前提で、来シーズン以降のための準備に入っておられ、監督と制作現場は、お互いの考えを率直に交換しながら、前向きに新制作の企画や新しい事業の構想についても話し合いを続けているところです。
 劇場といたしましても、監督とともに、わが国の演劇の発展のためより一層努力して参りたいと考えておりますので、皆様のご理解とご支援をお願いいたします。

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