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2008.4.11
「シネマ歌舞伎」が海外上映へ

またひとつ、演劇の可能性を広げる試みが始まった。

高性能カメラで歌舞伎を撮影して編集したシリーズ「シネマ歌舞伎」の作品「野田版 研辰の討たれ」が、4月12日からシンガポールで公開される。シネマ歌舞伎の海外での一般公開は初めて。

シネマ歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」は2005年5月、歌舞伎座での十八代目中村勘三郎襲名披露で上演されたもの。シネマ歌舞伎第2弾として今年1月に全国公開され好評を得た。製作の松竹では海外公開を目指し、世界の主要都市の劇場と接触。シネマ歌舞伎の上映にはデジタルプロジェクターが必要で、IT立国を標ぼうするシンガポールは政府の後押しで同プロジェクターの普及率が高いことなどから、交渉がまとまったという。英語字幕が付く。「京鹿子娘二人道成寺」も同時上映される。

劇場は市中心街オーチャード通りにある「キャセイ・シネプレックス」の約300席のスクリーン。上映期間は9日間で、すでに企業による貸し切りの回も決定。同国は90年6月に東南アジア初の歌舞伎公演が行われた国でもあり、今回の上映にも注目が集まっている。松竹では「ニューヨークやパリでも上映したい」と意欲を見せている。

同作は6月から、日本航空の国際線機内で上映されることも決定。歌舞伎が航空機内で流れるのは初めて。松竹は「外国人への認知度が高まれば」と期待している。

なお、シネマ歌舞伎の新作は現在、第5作「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の上映が5月31日より開始される予定となっている。

シネマ歌舞伎

スポニチ:「シネマ歌舞伎」がシンガポールで公開


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