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2007.12.31
特集:宮沢章夫「ノイズ文化論」

宮沢章夫が2007年7月に著した「東京大学「ノイズ文化論」講義」(白夜書房)があまりにも面白かったので(いまごろ読んだ)、年内に特集しておくべきと思い・・・。「レコメンの殿堂」入りだ。

前作の「東京大学「80年代地下文化論」講義」も面白かったが、今回は現代(1995年以降)がテーマだったので特に楽しめた。1995年ってのは阪神大震災とオウムがあった年。「ノイズ」ってのは世間が排除している社会的・文化的な事象のこと。特に文化系のノイズとして、音楽・演劇・本・映画などで挙げられた数々が面白い。

この本は、前回同様、東大での講義を加筆修正して本にまとめたものだ。2006年10月から2007年1月にかけて行われた「表象文化論特殊研究演習II」という授業がベース。13回の予定で開始された。実際には12回となった。1回休講があったのは11月の公演「現代能楽集」で身動きが取れなくなったためだとか。つまり、宮沢は芝居の執筆や稽古をしながらこの講義を行っていた。そして、2007年9月に予定していた遊園地再生事業団の公演「ニュータウン入口」(仮題)を見据えての内容となっていた。一つの切り口として「ニュータウン」があった。ニュータウンが排除した「ノイズ」に着目していた。また、前回の「80年代地下文化論」で表した「ピテカントロプス・エレクトス」などの80年代を受けての95年〜21世紀の文化的事象を分析する試みでもあった。

その上で、今回の講義では3人のゲストを呼んだのが特によかった。オタキング・岡田斗司夫、「バブル文化論」の原宏之、第二日テレの土屋敏男。それぞれとの対談は爆笑の連続だった。

で、宮沢が様々に紹介している中で至急読まなきゃ見なきゃと思ったものは・・

・原宏之「バブル文化論」(評論)
・青山真治「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」(映画)
・三浦大輔「恋の渦」(演劇)
・阿部和重「シンセミア」(小説)

特に「シンセミア」は宮沢をして「読んでない人はぜひ読んだほうがいい。よかろうと思う、というよりは、読めと、なぜ読まないとすら思う」と紹介している。

宮沢章夫著「東京大学「ノイズ文化論」講義


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