2007.6.18
政治家も動く演劇界の新しい企画
6月17日に渋谷で開催された「平田オリザ無料ワークショップ&シンポジウム」は、「演劇教育でガッコーを面白く!」の会開催のイベントだったが、伝わってきた情報がよくわからないものだったのに対し、実際に行われたものは実に興味深い素晴らしいイベントだった。
鈴木寛という参議院議員(2001年初当選の1年生議員)がいる。民主党のヒトで、教育問題にうるさいのだが、実は「元劇団ネバーランド・ミュージカル・コミュニティ」のヒトでもある。教育だけでなく演劇にもかなりこだわっているらしい。
あるとき、このヒトと平田オリザ氏が「演劇教育」について意気投合し、「演劇教育でガッコーを面白く!」の会が結成されたのだとか。平田氏は全国の学校を訪れ、演劇ワークショップを開催している。「演劇ワークショップを正規の授業に」こそが目標のようだ。
この日のイベントはその「平田オリザによる演劇ワークショップ」のさわりを1時間見せ、その後、「演劇」と「教育」にうるさい論客の4人(平田オリザ、鈴木寛、宮台真司、寺脇研)が約2時間のトークライブを行った。そこでこのイベントのほんとうの意味が見えてきた。要するに、学校の授業で演劇が行われることが重要なので、そのためのムーブメントを起こしていきたい。そのためのキックオフミーティングが今日のイベントなのだ、と。
そこで話し合われたのは、「なぜ学校で演劇が必要なのか」「その必要性を偉い人にどう説明するか」「どういう戦略で攻めるか」などなど。それに付随して、現在の教育現場で起きている様々なことが紹介された。「ゆとり教育」や「総合学習」の現状についても紹介された。
最も印象に残ったのは、「演劇」は「コミュニケーション能力」と「表現力」の発見につながるわけですが、今の学校の現場では、「なぜコミュニケーションが必要なのか」がわからなくなっているらしい。「コミュニケーション能力」をつける動機が薄れているのだとか。びっくりです。学校はサイアクのとこまで来てるんですね。大変です。
週刊SP企画室「演劇をガッコーへ」(詳細レポート)
週刊SP:2007.5.25■平田オリザ無料ワークショップ開催
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