実に失礼なタイトルで恐縮です。

開場10周年を迎え、新たに芸術監督を鵜山仁として９月からスタートする新シーズンの新国立劇場演劇ラインナップ07-08が発表となった。興味深い作品と注目の演劇人の参加が期待を大きくするが、中でも週刊ＳＰ的に大注目は「シリーズ同時代（仮称）」の三作品だ。このシリーズは「新国立劇場初登場の若手劇作家と、ベテラン演出家によるコラボレーション」であるらしく、話題の若手劇作家が並んでいる・・・が・・？

ラインナップは下記の通り。Vol.2の前田司郎はアゴラ劇場を中心に活動している五反田団の主宰。毎年、岸田戯曲賞の候補になっている。また、Vol.3の蓬莱竜太も岸田戯曲賞候補で人気のモダンスイマーズの座付作家だ。外部への作品提供でも注目されている。

さて問題はVol.1の「早船聡」。注目若手劇作家として名前の挙がるのは、前述の前田・蓬莱以外にも、本谷有希子、青木豪、赤堀雅秋、三浦大輔、岡田利規、倉持裕などなど。しかし、「早船聡」の名前は・・・気づかなかったなあ。メディアウォッチサイトを標榜する週刊ＳＰ的には大問題発生だ！

調べうる範囲で紹介すると、「早船聡」は円の養成所を卒業し、2005年11月に劇団サスペンデッズを旗揚げ。旗揚げ公演は「上石神井サスペンデッド」＠高田馬場プロトシアター。で、第二回公演が2006年９月に「Clearly」＠神楽坂ディプラッツ。早船さんは役者として、新国立劇場2006年 4月の岩松了作・演出作品「マテリアル・ママ」に出演していた。その他、岩松了の「アイスクリームマン」や「傘とサンダル」にも出演していたので覚えている人も多いかも。

ということで、いろんな意味で注目だ。抜擢したのは鵜山仁さんなのでしょうか。その真価が問われる、とは思いません。海のものとも山のものともわからない若手をどんどん抜擢して、時代に即した舞台を新国立劇場で提供していただきたいと願うばかりです。

「シリーズ･同時代」Vol.1
■新作　作・早船聡 vs 演出・松本祐子
2008年6月公演[小劇場]

「シリーズ･同時代」Vol.2
■新作　作・前田司郎 vs 演出・白井晃
2008年6月〜7月公演[小劇場]

「シリーズ･同時代」Vol.3
■新作　作・蓬莱竜太 vs 演出・栗山民也
2008年7月公演[小劇場]

新国立劇場2007/2008シーズン演劇ラインナップ