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1999.06.23
元劇団青春五月党の芥川賞作家柳美里氏、「プライバシー侵害訴訟」で敗訴

新聞各紙で報道された通り、芥川賞作家であり、数年前まで青春五月党を率いて銀座小劇場などで公演を行っていた柳美里氏が、発表した私小説に対して、モデルが特定できるのはプライバシーの侵害である、との見解で訴えられていたが、東京地裁が「出版差し止め」という厳しい判決を言い渡した。

原告側弁護団によると、この判決に対しモデルとなった女性は「柳美里氏は作家としての責任と人間としての痛みの感覚を取り戻して欲しい」とコメントしたという。これでは、まるで柳美里氏が「人の痛みを理解しないオニババア」みたいだが、はたしてそうなんでしょうか、との思いを禁じえない。

「生きる悲しみ」「人の痛み」だけを作品として発表してきた柳美里氏が、その痛みを表現する一手法として描写したものが、「被害者」側に苦痛を与えたというこの事件は、かつて同性愛の純愛を表現してきたつかこうへい氏が、その同性愛者から「ある特定の文章」に対して非難を浴びたのと通じるものがある。残念なことであるが、こういったことは避けられないものなのだろう。「被害(という意識)」が生じた限り、「加害」者が成立するのである。

今後も、柳美里氏の「人の痛み」への表現が、終わらないことを祈る。
(新聞と同じニュース報道だけじゃつまんないんで、ちょっとつっこんでみました。決して裁判の結果に不満があるわけじゃありません。そんなもんだってこと知ってますもの。ただ、残念なことだし、柳美里氏には頑張って欲しいもんです。青春五月党は好きじゃなかったけどさ。)

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