2006.11.13
DS用ゲーム「ポケットシナリオシリーズ」?
コーエーから11月30日に発売される任天堂DS用ゲーム「ポケットシナリオシリーズ 遥かなる時空の中で 舞一夜」はほとんど演劇シミュレーションゲームだ、と言ったら言い過ぎだろうか・・・。
「遥かなる時空の中で」は、コーエーから1994年に発売され大ヒットを記録した恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」のネオロマンスシリーズ第2弾として2000年にPS用として発売された。「アンジェリーク」はゲーム業界初の「女性向け恋愛ゲーム」というジャンルを新規開拓したとされている歴史的名作。「遥かなる時空の中で」はPS用、ゲームボーイアドバンス用などが発売され、その後「盤上遊戯」編(2003年PS用)、「八葉抄」編(2005年PS2用)、「彩絵手箱」(2005年PSP用)などが発売され、2006年9月にPS2用の「舞一夜」編が発売されていた。また、「遥かなる時空の中で2」「遥かなる時空の中で3」や劇場版、マンガ版、OVA版、TVアニメ版、小説版なども登場している。
このPS2用の「遙かなる時空の中で〜舞一夜〜」は新しいシナリオであり、同じ登場人物、同じ時代の別の設定での恋愛シミュレーションを楽しむもの。これに対し、DS用として11月30日に発売される「ポケットシナリオシリーズ」としての「遥かなる時空の中で 舞一夜」は、全く別のシステムを提供している。オリジナルのシナリオも付属しているが、新たにプレイヤーが自分でシナリオを作れるのだ。それも、登場人物を選び、背景や音楽も選択して、セリフを表示して進行させることができるのだ。もちろん、自分で作ったものを自分で鑑賞しているだけでは楽しみは少ない。今回の企画の最も重要な点は「シナリオコンテスト」が開催されることだ。グランプリを受賞した作品は、本物の声優キャストによってアテレコされるという。
これまで演劇やミュージカルのシミュレーションソフトはいくつか登場してきた。劇団経営シミュレーションもあった。筆者も1993年発売のMac用「バーチャルバラエティショー」(後の3DO用「娯楽の殿堂」)で、ダンサーと背景と音楽を選び「アリス」「オズの魔法使い」「ピーターパン」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」などを演出して遊んだ。ちゃんと動いてくれないのでむかついたっけ・・・。あれから13年、プラットフォームをDSとして、はたしてどこまで進化したのだろうか・・・。10年経てば、実写と生声をハンドリングできるようになってると思ったのだが・・・。
今回の「ポケットシナリオシリーズ 遥かなる時空の中で 舞一夜」は、劇場版アニメやPS2版の素材が利用できるという。いつか、実写と生声をリアルタイムでハンドリングできるようになるのだろうか。そうなれば、かなり演劇シミュレーションに近づくと言える。セリフの抑揚までコントロールできて、照明や転換も選べるのなら、コンテストのレベルも上がるのだろう。セリフと音楽と背景だけでは、斬新なアイディアのものは登場しにくいだろう。しかし、ゆっくりとだが、確実に進化しているのは確か。
シミュレーションにより、「演出」の意味が理解されることの意義は大きい。
「ポケットシナリオシリーズ 遥かなる時空の中で 舞一夜」公式サイト
シナリオコンテストの詳細
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