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(1255)

2006.10.27
金剛山歌劇団の公演問題顛末

毎度おなじみの「会場使用中止問題」がまた起こった。だんだん、ポーズでやってるだけになっている。

岡山県倉敷市の倉敷市民会館での金剛山歌劇団(朝鮮総連系)の公演に際し、会館使用中止だ、提訴だ、撤回だ、なんだかんだと問題になった事件は、結局、大きな混乱もなく、公演は無事終了した。

ことの経緯は、「北朝鮮の核実験の影響で多くの市民から中止するよう要望があった」と市側が「会館の使用許可」を撤回したことに始まる。「多くの市民」とか言ってるが、要するに「右翼の妨害」だ。これに対し、劇団を招いた公演実行委員会側は「警備を万全にすれば問題ない」として岡山地裁に決定取り消しを提訴。その結果、ある意味で予想通り地裁は実行委の主張を認め、それを受けて市側は不服申し立てをせず、会館の使用を認める決定をした。当日(10/26)は朝から街宣車が会場周辺などを回り、開催に抗議したが、倉敷署員らが警戒態勢を取り、主催する実行委も会場内の警備に当たっていたため、大きな混乱はなく無事公演は行われた。

ほとんど毎度のことなので驚くこともないが、実はこの時期大きな意味を含んでいる。実行委の弁護士が語っていたが、「市側は司法判断を見越して、ポーズで使用取り消しを言っただけ」と。秩序を逸脱する団体や表現内容のものは「ある種の側からの反発が予想されるので配慮する」ということだろう。これにより、どれほど多くの表現者にプレッシャーがかかるのかを全く考慮していない。自由な表現に制約が生まれることは、市民の側に不利益であるのに。

「市民会館」だって表現の自由を守る尊い仕事だ。今の日本はタブーが増えつつあり、表現活動ががけっぷちでもある。テロや核や拉致という「絶対的な悪」に見えるものが日常的に登場しているから。しかし、それさえも相対化して見せてくれる「表現の自由」を守らないと、ほんとうに「絶対的な終焉」へ向かうかもしれない。ポーズで気配りするのはやめてもらいたい、と表現者はもっと声を上げるべきじゃないのだろうか。(意外と反応がなかった)

(10/16〜27に各紙報道)


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