1976年から1977年にかけて創刊されたばかりの夕刊紙「日刊ゲンダイ」に見開き２ページで週一連載されていた寺山修司編集の「人生万才」が復活する。７月14日（金）から、毎週金曜日に連載。

この連載はＪＩＣＣ出版局から単行本化もされたが、現在は絶版。

当時の内容は、寺山修司らしい猥雑でエロティックで挑発に満ちたもの。「学生証付き女子大生ポルノ」は女子大生がポルノを書くもので、当時としては画期的なことだった。しかも学生証付きというのは、その後の”学生証付き女子大生ヌード”のさきがけとなった。「有名人の家のゴミには何が入っていたか」は、長島茂雄の家から出たゴミ袋を持ち帰り、何をゴミとして捨てたかリストを作ったりしたもの。やはりその後、週刊誌で「山口百恵の家のゴミ漁り企画」のさきがけとなった。

こんなことは、「個人情報の保護」や「公共施設を使ったパフォーマンスの規制」などがうるさくなった現在では考えられないことだが、当時でも「大問題」であり、だからこそ寺山の演劇性の発露であったと言える。

さて、今回の復活連載では、川上史津子のエロ短歌なども企画されているらしいが、メインは当時と同じ企画！の復活だ。毎週読者を走らせたという「宝探し」が構想を新たに帰ってくる。

当時も担当したＪ・Ａ・シーザー（演劇実験室万有引力主宰）が出題する。これは、「東京都内の某所に隠した宝を探した人に３万円さしあげます」というもの。女湯に待機した女優が出すヒントをたよりに街を探しまわったり、デパートの屋上に現れた黒い帽子の男（劇団員）がヒントとなったり、あるいは、山手線の中で女性が持つキューピー人形にヒントが隠されていたり、眼帯の男の後を東京タワー目指して、読者が追いかけたり……。いってみれば、宝探しという名の『市街劇』です。わくわく・・！

ニュースはこれだけじゃない。今回の復活連載に関わるのが、高取英（劇団月蝕歌劇団）、天野天街（少年王者舘）、榎本了壱ほか・・・本気ですね。なんか、事件が起きそうな予感が・・・。

日刊ゲンダイで7月14日（金）より

ゲンダイネット