2006.5.8
情熱大陸と劇的痙攣
日曜のTBS系「情熱大陸」は唐十郎だった。この番組、誰でも彼でもを、やたらと感動的に描く。ただの飲んだくれのおっさんでも、なんか意味があるんじゃないかって思わせる。まあ、唐さんですから、意味はあるんですけど。(MBS情熱大陸「5/7 唐十郎」)
この番組によると、「一般に唐組の芝居は難しいと言われている」らしいんだけど、ほんとにそうなの? 確かに唐さんの戯曲は読んでもちんぷんかんぷんになっちゃうけど、芝居となると「難しい」って感じじゃないよね。むちゃくちゃで、でたらめで、いいかげんで、普通に感じていれば楽しめる作りだもの。劇場に行って「体験」しないと得られない感覚なので、確かに「理解」とかの範疇にはないけど・・・。
そんな唐さんの「評論集」が発刊された。タイトルは「劇的痙攣」。岩波書店から。
いま,演劇とは何か.1960年代に「アングラの旗手」といわれ,一貫してテントによる上演にこだわり,状況と対峙することから演劇を創造し,大きな影響を与えてきた著者の待望の評論集.情報空間のバーチャルな世界が全盛となる中で,演劇の可能性を日常の身体やコミュニケーションから問い,世界を再創造する行為として考察する
って、言うから余計に難しくなるんだよなあ。まあ、唐さんの「文章」は確かに難解なんですけど。芥川賞作家ですから(1982年)。
劇的痙攣
唐 十郎/著
■体裁=四六判・上製・190頁
■定価 1,995円(本体 1,900円 + 税5%)
■2006年4月26日
■ISBN4-00-022754-8 C0095
岩波書店
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