第１３４回芥川賞・直木賞（平成１７年度下半期）の候補作が発表された。芥川賞候補に松尾スズキの「クワイエットルームにようこそ」が入ったのが注目されている。

松尾スズキは劇団大人計画主宰。「ファンキー！ ――宇宙は見える所までしかない」で岸田国士戯曲賞（1997年）を受けた。最近は映画「恋の門」を監督するなど、映像分野でも活躍。小説「宗教が往（ゆ）く」やエッセー集など著書も多い。漫画「破戒」（画・山本直樹）の原作も。

発表は１月１７日。候補作は次の通り。（敬称略、５０音順）

【芥川賞】

• 伊藤たかみ「ボギー、愛しているか」（群像１２月号）
• 絲山秋子「沖で待つ」（文学界９月号）
• 佐川光晴「銀色の翼」（同１１月号）
• 清水博子「ｖａｎｉｔｙ」（新潮１０月号）
• 西村賢太「どうで死ぬ身の一踊り」（群像９月号）
• 松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」（文学界７月号）

【直木賞】

• 伊坂幸太郎「死神の精度」（文芸春秋）
• 荻原浩「あの日にドライブ」（光文社）
• 恩田陸「蒲公英（たんぽぽ）草紙」（集英社）
• 恒川光太郎「夜市」（角川書店）
• 東野圭吾「容疑者Ｘの献身」（文芸春秋）
• 姫野カオルコ「ハルカ・エイティ」（同）

なお、過去の演劇人としては芥川賞が唐十郎（1982年下半期）、柳美里（1996年下半期）、直木賞は井上ひさし（1972年上半期）、つかこうへい（1981年下半期）らが受賞している。

第１３４回芥川賞
文春：松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」