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(994)

2005.11.16
観客が舞台中の「タバコ消してっ!」

よっぽどタバコが嫌だったんでしょうね・・・。

イタリアの劇場で、アーサー・ミラーの戯曲「橋からの眺め」を上演中、主役が脚本通りタバコを吸っていたところ、1人の観客の女性が「タバコを消して」と叫んだんだとか。役者はタバコを消し、15分間の中断後再開されたが、タバコを吸わない設定に変えて上演が続けられるという事態となった。主演俳優は、「これまで300以上の芝居をしてきたが、こんなことは初めてだ」と述べた。そりゃそうだろう・・・。

イタリアでは今年1月以降、密閉された公的空間での喫煙は禁止されている。

かつてタバコは「嗜好品」だった。が、現在は周りの人にも「危害を加えるもの」と認識されている。いわば「暴力」だ。パッケージへの警告表示も過激なものになっており、特にヨーロッパでは「喫煙は人を殺す。(Smoking kills)」や「喫煙者は早死にする(Smokers die younger.)」など直接的。しかしだからと言って、舞台上の演出にまで観客が口出しできるものだろうか・・・どうだろうか・・。

これまでなら、こういう場合は怒った観客が退場した。しかし、確かにそれでは納得いかないのだろう。なんか言いたくなる。それを非難できないようにも思う。とすると、たばこをくわえて、火をつけるマネでごまかすしかないのだろう・・。

しかし、「たばこを吸う」という行動は、演劇や映画にとっては、とても重要なシーンである。これは演出サイドとしてはとても意味があるのだ。「間」なのだ。そう簡単にはやめられないと思われる。

やはり、超小型スモークマシーンを開発してタバコの中に仕込むか、妊婦も安心の薬用タバコ(とされている)「ネオシーダー」を使うしかない。あるいはチラシにでかでかと「喫煙シーン」がある旨表示するとか・・・「暴力シーン」みたいに。


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