2005.10.15
ハロルド・ピンター氏にノーベル文学賞
2005年のノーベル文学賞に劇作家のハロルド・ピンター氏が決定した。ピンターと言えば不条理劇でベケットと並ぶ大御所。1930年生まれ。賞金は約1億5千万円。
みんなが大好きな不条理劇は、日本でも別役実からケラに至るまで、多くの劇作家が上演している。1960年代から70年代にかけて世界中に広まったもの。もっとも有名なベケットの「ゴドーを待ちながら」は、つかこうへいから鴻上尚史までが翻案して上演している。ベケットは1969年にノーベル文学賞を受賞した。
ピンターはイギリスの劇作家。「部屋」や「管理人」「背信」などの作品があるが、もっとも有名なのは「料理昇降機(ダム・ウェイター)」で、日本でも様々な形での上演がなされている。この作品は1957年に書かれたもの。
80年代以降、ピンターは政治的な色彩が濃い作品を書くようになった。近年では、英国のブレア政権による対イラク戦争(2003年)を厳しく非難した。また、演劇だけでなく、映画の脚本(「フランス軍中尉の女」や「ラスト・タイクーン」)や詩作や小説も手がけている。
ピンターの作品は、日本ではかつて俳優座が多く上演していた。
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