2005.9.7
2004年演劇市場は前年比5.4%増
ぴあ総研がまとめたエンタテインメント白書2005によると、わが国の2004年の演劇市場は1,020億円であり、前年比5.4%の増加となった。動員数も3.6%増の1,630万人。
ぴあ株式会社の子会社でレジャー・エンタテインメント分野のシンクタンクであるぴあ総合研究所株式会社は、昨年に続き、ライブ・エンタテイメント市場動向についてジャンル横断的に一覧できる「エンタテインメント白書2005」を9月8日に発行した。この資料は昨年からまとめられており、今回が2年目。データの修正を行いながら毎年発刊予定(昨年は7月22日発刊)。「ライブエンタテインメント」とは集客型のものであり、「音楽コンサート」「舞台演劇」「劇場映画」「スポーツ観戦」「遊園地・テーマパーク」の5つで市場を形成している。市場規模は各分野のチケット販売額で構成されるが、最大の市場規模の「遊園地・テーマパーク」は飲食・物販を含めている。合計市場規模は1兆1,060億円、「遊園地・テーマパーク」はその51.1%。
演劇市場は拡大傾向にあるとし、2004年の好調の原因は「お笑い」「歌舞伎」「ミュージカル」の人気にあると分析している。演劇のサブジャンルは「現代演劇」「演芸/お笑い」「ミュージカル」「古典芸能」「舞踊」の五つ。ブームとなっているお笑い人気が継続し、歌舞伎の襲名披露興行で話題を集めた古典芸能も好調であり、市場の半分を占めるミュージカルも変わらず好調だとしている。
ということは・・・「現代演劇」「舞踊」は不調だということになるのだろう。しかしながら週刊SP的には、人気タレントが大挙して参加している話題の舞台も拡大傾向にあることを考えると、単純に「現代演劇」全体が不調とは言えないと分析する。商業演劇や大手制作会社によるプロデュース公演は好調であり、それ以外の中小の企画が絶不調と予想する。
「演劇市場は好調」とアナウンスされることの中身とのギャップが心配になる。好調が言われる中での小劇場演劇の苦境が、将来の演劇市場に悪影響を及ぼすこととなるだろう。
「エンタテインメント白書2005」ニュースリリース
ぴあ(株)
参考:2004.07.10■ぴあ総研が「エンタテインメント白書」
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