2005.8.5
始まっているPodcastingに注目!
アップル社の音楽配信iTunesMusicStore(以下iTMS)日本版のオープンが4日に発表となり、洋楽を中心とした「登録楽曲数100万曲」や「一曲150円(一部200円)」という価格が話題となっているが、週刊SP的には10000冊ものオーディオブックの存在が気になるところだ。現在、NHK落語名人選がラインナップされており、志ん生や文楽の名演が一作700円で販売されている。90秒のプレビューを聞くだけでも楽しい。記者会見で「古今亭志ん生 塩原多助一代記」を再生してみたジョブズ氏は「これはコメディか? 」と観衆に問いかけて、笑いを誘ったとか。
ところで、iTMSのオープンが巻き起こす「事件」としては、Podcasting(ポッドキャスティング)のほうが大きいと期待している。すでにiTMSでの楽曲販売は4日間で100万曲を超えたと発表され、既存の音楽配信サイトの一ヶ月の販売量の2倍を4日で達成したようだ。アメリカでiTMSが始まったとき、一ヶ月100万曲が存続の条件だったが、それを一週間で達成して驚かれたが、日本での開始ではさらに加速しているということだ。これによって、端末のiPodの普及がさらに進み、Podcastingの一般化も加速すると期待される。
現在、iPodの普及台数は数十万台と予想される。携帯型の音楽再生機としてはMDやCDをメディアとするものが年間500万台程度の市場を形成しているが、シリコンオーディオやHDDオーディオのデジタルオーディオプレイヤー(2004年100万台)が2008年には出荷台数において逆転すると見られている。iPodの普及台数もiTMSの追い風を受け、数年以内に数百万台に達すると予想される。そこで大きな意味を持つのがPodcastingというわけである。
Podcasting(ポッドキャスティング)とは、iPodなどのデジタルオーディオプレイヤーを端末とした音楽・音声擬似放送のこと。音声ブログとも、オンデマンドラジオとも言われている。要するに、個人がネット上にラジオ番組を置いておくと、iPodなどで好きなときに聞くことができるというものである。現在でもインターネットラジオは無数にあるが、それを探し出す手間と、更新情報を取得する手間を省き、iPodなどの端末へのダウンロードをすべて自動的に行う仕組みを提供しているものである。
週刊SPでは、このPodcastingに注目していた。シアターフォーラムの記者会見ニュースなどもいずれはPodcasting対応にしたいとWebMaster氏が話していた。そうこうしているうちに、いくつかのサイトが対応を始めていたというわけである。
「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」は若手落語家の高座をPodcastingで配信するもの。8月3日に古今亭菊朗の「金明竹」が公開され、今後、三遊亭歌彦の「片棒」、柳家三三の「五貫裁き」、五街道喜助の「代脈」などが予定されている。
ぽっどきゃすてぃんぐ落語
また、演劇ポータル系インターネット放送局の「818STAGE!!」(ハイパーステージ)でも、Podcasting対応となった。818STAGE!!では、劇団発信のコラムとインターネットラジオで構成されているが、そのラジオのほうがPodcasting対応となったものである。現在、12劇団ほどが参加し、月一回程度の更新(更新数が少ない!)があるが、Podcastingで更新情報が自動的に取得できれば、更新確認のムダが省けるわけである。
818STAGE!!
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