2005.6.20
「小劇場に明日はあるか?!」TG連載中
月刊演劇情報誌シアターガイド(TG)に二つの熱い連載。先月号(2005年6月号)から始まった。一つはヤサぐれ舞踊評論家・乗越たかお氏による「どうせダンスなんか観ないんだろ!?」、もう一つは演劇ライター・徳永京子氏による「小劇場に明日はあるか?!」だ。前者は「!?」だし、後者は「?!」だ。ちょっと違うあたりも含めて、熱いぜ!!。
「小劇場に明日はあるか?!」のサブタイトルは「出てこい!演劇の未来を背負う若手劇団」とある。徳永氏の以下の感覚からスタートした企画だ。
海外の大型ミュージカルが毎月のように来日し、ジャニーズの公演も盛況で、プロデュース公演や映像業界からの接触は以前よりも増えているにもかかわらず、小劇場では何かが以前よりも停滞している気がしてならない。(2005年6月号より)
ということで、今、いったい何が起こっているのかを、取材によってあきらかにしようという試みだ。6月号では『観客』を、7月号では『劇場』を取り上げている。現代の社会状況に合わせて変化している観客。「保守化」や「上質な完成品」というキーワードでくくることができる観客のニーズに応え、インパクトの弱い作品が作られていると分析している。また、「作り手は勉強不足」だとも(6月号)。
一方で、劇場側の変化も分析している(7月号)。ひとことで言うなら、劇場は頑張っている、ということだろうか。東京には新しい劇場が次々とオープンしている。競争は激しいのだ。総観客数は増えているとは思えないのに、劇場は増えているのだ。よって、特色のある劇場作りが志向され、個性的な劇団をサポートする準備は万端ととのっているということだ。にもかかわらず、勢いのある劇団が・・・。
さて、連載は今後、どう展開していくのだろうか。実は、面白い劇団が出てこない理由は様々に見つけられるのであり、もっともらしいことはいくらでも言えるという状況がある(この連載で全部書き出してもらいたいものである)。問題は、何をどうすれば「演劇の未来を背負う若手劇団が出てくるのか」であるわけだ。かなり、世の中の状況は悪いんですけど、でも、刺激的な「表現」ってのはなんかあるはず。そんな劇団だって、出て来ていいはず。
でないと、「演劇状況」に「小劇場」はいらなくなってしまう。
月刊シアターガイド(税込400円)
発行:モーニングデスク
シアターガイドHP
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