2005.6.6
「太平洋序曲」、トニー賞逃す
第59回トニー賞の発表・授賞式があり、期待の「太平洋序曲」は残念ながら選にもれた。
トニー賞はニューヨークの興行街・ブロードウェイで上演された芝居とミュージカルを対象にした、米国最大の演劇賞。今回は昨年12月から2か月間上演された宮本亜門演出の「太平洋序曲」が、ミュージカル部門のリバイバル作品賞の候補となった。また、同作品からは装置デザイン賞(松井るみ)、衣装デザイン賞(コシノジュンコ)、編曲賞(ジョナサン・チュニック)でもノミネートされたが、いずれも受賞を逃した。
ミュージカル部門の最優秀作品賞には「モンティ・パイソンのスパマロット」、リバイバル作品賞には「ラ・カージュ・オ・フォール」がそれぞれ選ばれた。
トニー賞の受賞傾向は、ブロードウェイでの長期上演が有利とされ、また各地の劇場での公演も行われるものが強い傾向があるとされている。2ヶ月間の期間限定だった「太平洋序曲」は不利だったと言える。また、ブロードウェイ向き、アメリカ人向き、というよりは明らかに異色作であった。
しかしながら、このノミネートが残した日本演劇界への影響は計り知れない。宮本亜門個人への報道は、あらゆるメディアに及び、6月7日朝には、生中継でNYの宮本亜門が日本テレビのインタビューに答えていた。宮本氏は、思わず「3、4年以内には獲る」などと発言してしまい、「あっ、宣言してしまいました。」と笑っていた。次の機会には、異色作ではなく、ブロードウェイ向きの王道の作品をやってみたい、とも。どんなのが受けるのかはわかっている、とも。
上演作品の評価が高く、過去の作品の再演が続く宮本亜門であるが、次の新作が注目される。
宮本亜門公式ホームページ
ニュース募集
|