2005.1.10
新感線の新プロジェクト詳報
「いまさらかいっ!」と言われそうだが、新感線の活動に目が離せない。
確かに1980年に大阪で旗揚げした新感線は、1990年代には圧倒的な人気劇団となっていた。1991年にはサンシャイン劇場やシアターアプルで公演を行っており、東京での人気も不動のものとなっている。しかしながら、近年の活躍は尋常ではない。ホリプロや松竹といった大手と組み、青山劇場から新橋演舞場や帝国劇場といった大劇場での公演を実現している。
そんな新感線が新しいプロジェクトを始めるという。その名も「SHINKANSEN☆NEXUS」。中島かずき・作、いのうえひでのり・演出で新しい出会いに期待するという。
ロック+ちゃんばら+日本史の融合については、「いのうえ歌舞伎」でやりつくした観があるが、さらにエンタテインメント色の強いジャンルを手がけるという。あえて、大人から子供までが楽しめる作品づくりを志向し、初舞台のV6・森田剛を主演に抜擢する。
SHINKANSEN☆NEXUSの最初の公演は、2005年3月に『荒神〜AraJinn〜』@青山劇場。
これまで新感線はホリプロ、松竹、東宝などと共同製作の公演を行ってきた。これは大手の演劇制作事業者が「新しい顧客層を開拓する」という目的で行ったもの。固定化した客層を変え、若い観客を獲得すべく、「若者に人気の劇団新感線」との共同事業を行ったものである。結果として大きな成果を挙げたと思われる。
さて、今回のNEXUSではアール・ユー・ピーとの共同事業である。アール・ユー・ピーはこれまで、ジャニーズなどのタレントを使い、若い観客を獲得してきている。それを考えると、あえて新感線との共同の必然性はないようにも思われる。よって、これまでのアール・ユー・ピーが行ってきた若者向けのエンタテインメント性の強い舞台とは違ったものが期待される。いっそ、小学生や親子観劇が可能な「児童劇」的な公演を期待したい。ほんとうに、幅広い年齢層に受け入れられるものとなるかどうか、注目したい。
企画名 | 製作 | 年「作品」@劇場 | 出演 |
INOUEKABUKI HORIMIX | ホリプロ | 1999年「西遊記」@青山劇場
2001年「大江戸ロケット」@青山劇場 | 筧利夫・坂井真紀
山崎裕太・奥菜恵 |
INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX | 松竹 | 2000年「阿修羅城の瞳」@新橋演舞場
2002年「アテルイ」@新橋演舞場
2003年「阿修羅城の瞳」@新橋演舞場
2004年「髑髏城の七人」@日生劇場
| 市川染五郎 |
SHINKANSEN ☆RX | 東宝 | 2004年「SHIROH」@帝国劇場 | 中川晃教 |
SHINKANSEN ☆NEXUS | RUP | 2005年「荒神」@青山劇場 | 森田剛 |
シアターガイド「荒神〜AraJinn〜」記者会見
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