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2004.6.12
伝説の「曲馬舘」記録ビデオ発売

 アングラ系テント芝居として、状況劇場や天井桟敷とは別の系譜にある伝説の劇団「曲馬舘」の活動記録がビデオ化され発売されている。布川監督の映画「風ッ喰らい時逆しま」だ。

 翠羅臼さん率いる「曲馬舘」は、70年代から80年代はじめにかけてアンダーグラウンド演劇で活躍した伝説のテント劇団。先鋭的なメッセージを放つ独自のスタイルを貫き、解散後、「風の旅団」「驪團(りだん)」などに引き継がれていった。

 国境・越境をテーマとしたドキュメンタリー作品を数多く手がける映画監督・布川徹郎さん(60)が劇集団「曲馬舘」を描いた映画「風ッ喰(く)らい時逆(ときさか)しま」(88分・カラー)のビデオがこのほど「プラネット映画資料図書館」(北区)から販売された。この作品は1979年に製作された。1977年の公演「地獄の天使」の記録フィルムを基本にしたドキュメンタリー。芝居の様子だけでなく、北海道から沖縄まで移動しながら演じ続けた旅のプロセス、舞台設営や劇団の生活、打ち上げの様子などが撮影された約9時間半のフィルム記録が編集されている。作品には、沖縄地上戦で犠牲となった「ひめゆり学徒隊」の惨劇、コザ暴動などがモチーフとして取り入れられ、国の戦争責任の問題などにも踏み込んでいる。また、米軍基地の影響を色濃く残している本土復帰5年の沖縄の姿も記録。大阪・新世界、通天閣周辺での公演の呼び込みの様子なども登場する。布川監督が「ノスタルジーは現状に対する批評性を持っている」と語るように、作品は現代にも連なり、克服しきれていない、この国の課題が問題提起されている。

 布川監督の作品には「在韓被爆者――無告の二十六年 倭奴へ」(71年)、「太平洋戦争草稿」(74年)、「パレスチナ’76―’83 パレスチナ革命からわれわれが学んだもの」(83年)などがある。また、デジタルビデオで撮影済みの水族館劇場『虹の都』、ルナパークミラージュ『火 hiyottoko男』に加え、ハイビジョンで来るべき野戦の月の《台湾興業》を撮る計画もある。

 今回のビデオは個人用5000円。問い合わせは「プラネット映画資料図書館」(06・6364・2165)

プラネット映画資料図書館

プラネットワールド

「風ッ喰らい時逆しま」


筆者は旅団・驪團は見ていても、その前の曲馬舘は伝説として知っているだけです。とにかく「見世物小屋」的な凶暴な舞台であったという。あんなことやこんなことまでやられていたらしい。(じ)
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