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(821)

2004.4.16
新国製作舞台装置の保存が決定

ほとんどすべての舞台装置は公演終了後廃棄されるわけだが(ほぼ95%ぐらい)、このたび、新国立劇場で公演されていた「こんにちは、母さん」の舞台装置が石川県中島町で保存されることが決まった。

この作品は永井愛の作・演出で、2001年初演。数々の演劇賞を受賞したらしいが、その装置(大田創)の評価も高かったという。本年3月に再演され、各地を巡回していた。新国立劇場では、公演終了後の装置の廃棄を3月末に決めたが、最終公演地の石川県中島町・演劇の町振興事業団が装置を譲り受け、将来の一般公開を目指して保存することとなった。同町には演劇資料の展示施設を造る計画がある。

どんなに素晴らしい装置であっても、粉々に壊され、ゴミ捨て場へと直行するのが運命だ。たとえ再演が決まっていても、新たに作るよりも保管費のほうが高い!、というのが一般的であり、捨ててしまうことになる。それが単なる装置というより、装置屋さん渾身の一作(芸術作品)であっても・・・。それがまた舞台の刹那さでもあるわけだが。

大田氏は「壊されてしまうのが普通の舞台装置が残り、文化的刺激になれば意味がある。うまく活用してもらえればうれしい」と話したそうだ。


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