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2004.3.23
裁判劇という形式の演技力裁判@フジ

たぶん東京ローカルだと思われるが、フジテレビで3月22日月曜深夜にやっていた模擬裁判の番組は・・・驚愕!

このたび、わが国でも陪審員制度が導入される計画であるが、この番組では一つの事件を設定し、一般視聴者から選ばれた陪審員に裁かせようというものだ。題して

最後の審判〜刑法第246条第1項〜「詐欺」
「結婚詐欺テレビ初公開第2次大戦以来の陪審員12人による裁判」

陪審員とは裁判で判決をくだす無作為に選ばれた一般市民のこと。陪審裁判といえばアメリカが有名だが、日本でも太平洋戦争前までは行われていたという。なので「第2次大戦以来の〜」となっている。

今回、陪審裁判にかけられる事件は結婚詐欺。被告は平成16年1月7日、31歳の女性から400万円を騙しとって逮捕された男。通常の裁判官による判定なら有罪確定率ほぼ100%と言われており、男には少しの希望も無い…。

しかし今回、判決をくだすのは一般視聴者から選ばれた12人の陪審員。年齢も職業も全く違った12人の男女。彼らは今回の事件の事を全く知らない…。法律の知識も無い彼らの前で審問が始まる。

この陪審員に訴えかけるのは、本物の弁護士と検事。数々の裁判を勝ち抜いてきた2人の法律家。完全に有罪と言う検察官と被告を守ろうとする弁護人。2人のプロの法律家の名誉をかけたバトルが始まる!!

・・・なんてことは、ほとんど関係ないように思えたわけです。クライマックスは、最終弁論のあと、被告が思いを訴える・・・。その被告は・・・おかやまはじめ!

陪審員は一般視聴者で、弁護士と検事は本物ですが、被告と被害者と証人は、役者さんなのでした。(ちなみに仕切っていた裁判官は篠井英介!)

おかやまはじめの独壇場です。観客(陪審員)を前に情実に訴えます。一人芝居です。騙すつもりはなかったのだ、と。すごい芝居です。だって、そういう状況はなんにもないわけで、単なる芝居なんですから。

その後、番組は陪審員だけでの話し合いになります。三谷幸喜の「12人の優しい日本人」状態です。そして・・・判決「無罪!」

ラッパ屋で断トツにうまいおかやまはじめじゃなかったら、この裁判はどう転んだのでしょうか・・・。役者の力量こそが裁かれていたように思えました。

裁判官 … 篠井英介
被告人 … おかやまはじめ
被害者 … 岩橋道子
証人 … 松沢未也

フジテレビ:最後の審判


次回はぜひ「女工殺し」を裁いて欲しいもんです。熱海の海岸で、腰紐で絞殺した例の事件を。殺人はやってるが、無罪!と。(じ)
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