2004.2.26
嘉穂劇場へ宝くじ協会が2億円助成
昨年7月の豪雨災害で壊滅的な被害を受けた福岡県飯塚市の嘉穂劇場の復興資金として、財団法人日本宝くじ協会(本部・東京)が約2億円を助成する方針を固めた。これまでに約1億円の寄付金が寄せられており、今回の助成を加えると復興に必要な約2億7000万円を確保できる。劇場復旧委員会は4月に本格的な工事に着手し、被災1周年の今年7月19日までに復興にこぎ着けたい考えだ。
嘉穂劇場は被災後、地元財界や県、市などが「嘉穂劇場復旧委員会」を設立して募金活動などを展開。全国の著名芸能人や座長らもチャリティー活動などで全面的に協力してきた。しかし、復興費用の全額を募金でまかなうのは困難な状況で、被災直後に地元入りした麻生渡知事が「全国的にも大事な劇場で、県として再建を支援したい」と述べ、対応策を検討してきた。
だが、劇場が民間の営利企業として経営されていたことなどから、公的資金の投入は困難と判断。さまざまな助成制度を調査した結果、宝くじ協会の助成制度が浮上。県が交渉を重ねてきた。
一方、劇場側は公的支援を受けやすくするため、個人経営をやめて今年1月にNPO法人化。助成対象が地方公共団体や公益法人に限られる協会の助成が可能になった。
宝くじ協会は(1)地元の貴重な観光資源で、今年秋の国民文化祭の会場の一つでもある(2)全国から義援金が集まっている――などから助成を決めたとみられる。
日本宝くじ協会
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