恒例、週刊StagePower編集部が選ぶ「演劇界ニュース・ベストテン2003」を発表します。演劇制作に関するニュースはfringeという充実したサイトがあるため、意識的に制作関連のニュースを報じていません。また、「公演」に関するものも、多くのメディアが採り上げますので、あまり扱っていません。そんな中で、編集部がショックを受けたり、感動したりしたものを選びました。

2003年に最も多く採り上げたのは、「イラク戦争に対する演劇人の動き」です。ぶっちゃけ、戦争なんてバカなことをしないようにと、演劇やってるわけですから。

びっくりした、と言えば「猫ニャーの解散」と「宮本亜門のブロードウェイ上陸」があります。あえて、いいニュースである宮本亜門を上にしました。もちろん、本当に初日を迎えられるのか、まだまだ安心していませんけど。

訃報は毎年、あります。が、田嶋ミラノさんの死には、驚きよりもくやしい気持ちになりました。才能、あったんですよ、ほんとに。

さて、あまりニュースで採り上げなかったんですけど、実は2003年は劇団四季が創立50周年ということで、大活躍してました。ストレートプレイ専用の「自由劇場」の開場もありました。年末には浅利さんの結婚まであって。その報を聞いたとき、「まさか、できちゃった結婚かい？！」と思ったのは私だけでしょうね。すみません。

2003年もまた、アゴラ劇場と平田オリザ氏の活動に注目してました。アゴラの支援制度・劇団助成制度は、これからが正念場となるのでしょう。今後も見守りたいと思います。そして、世田谷パブリックシアターや王子小劇場などの活動にも注目していきたいと思っています。

演劇のインターネット配信は、いろいろ実施されていますが、いまいちの感があります。やはり、生の舞台の「映像化」が課題となります。芝居と映像は、全く別のものですから。むしろ、映像を舞台で使う動きのほうが目立っています。そんな中、とうとうＰＦＦアワードに舞台の映像制作陣から入選が出ました。上田大樹氏の今後が楽しみです。

国本武春さんのアメリカ留学での活躍は、まだテレビでやってませんね。でも、シアターガイドで先月から連載が始まりましたね。予想通り、面白いことになってますねえ。

そのニュースを聞いたとき、驚いて「んげっ！」と言ってしまったのは、小須田さんの演出家デビューです。びっくりしましたよねえ。不安になりましたよねえ。できは良かったみたいでしたよねえ。役者ひとすじでいいと思いましたよねえ。でも、またやって欲しいとも少し思いますよねえ。それを見てみたいと思いますよねえ。

あ、めでたいニュースを最後に。河原さん、ともさかゲッツ！　今年は、誰が誰を・・・？　頑張っていただきたいものです。

■週刊StagePower編集部選出、演劇界ニュースベストテン2003【記事リンク】

1.イラク戦争に反対する演劇人の動き
2.宮本亜門、ブロードウェイへ
3.猫ニャー、解散へ
4.田嶋ミラノさん、死す
5.劇団四季、50周年
6.アゴラ劇場の支援制度開始
7.ＰＦＦアワードで上田大樹氏入選
8.国本武春、アメリカ留学
9.小須田康人氏、演出家デビュー
10.河原雅彦・ともさかりえ、結婚