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2003.7.20
福岡の嘉穂劇場が水害で廃業の危機

 江戸時代の歌舞伎様式の芝居小屋として全国的に知られる福岡県飯塚市の嘉穂劇場が7月19日の集中豪雨による水害で、舞台や花道が山形に盛り上がって折れるなど壊滅的打撃を受けた。前面広間は1メートルほど水に浸り、升席は土台に固定していないため浮き上がった。同劇場は「舞台や客席が使えず、このままでは廃業するしかない」という。

 同劇場では9月にギンギラ太陽'sの『ひよ子侍 隠密和菓子旅』が上演されるはずだったが、この被害により9月以降の年内全公演が中止となった。もちろん、廃業の危機ということで、来年以降の公演もメドがたたない状況だ。

 「廃業するしかない」のは舞台や客席が使えないからだ。「直せばいい」わけだが、多額の費用がかかる。保険や援助だけでは再建は困難だろう。国や県の資金面の応援か、スポンサーの登場に期待するしかない。「芸術拠点形成」というお題目先行のわが国芸術文化行政の、真価が問われる事態となった。注目しよう。

嘉穂劇場


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