2003.3.16
扇町MS、盛大な閉館イベントで幕
関西の小劇場演劇やサブカルチャーの拠点的存在だった大阪市北区の「扇町ミュージアムスクエア(OMS)」が16日、閉館した。閉館シンポジウムに集まった演劇人らは、18年の歴史を語り合い、盛大に“打ち上げ”を行った。
OMSは1985年にオープン。劇場や映画館、ギャラリーなどの複合施設で、特に劇場は多くの新進劇団に発表の機会を与え、戯曲賞などで才能を発掘した。大阪ガスの関連会社が運営していたが、建物の老朽化で2002年末の閉館が決まっていた。
シンポは、舞台に居酒屋のセットをつくり芝居の打ち上げのように演出。維新派や劇団新感線、南河内万歳一座などの人気劇団から若手までの演出家や俳優らが酒を酌み交わし、裏話や即興演劇で観客を沸かせた。(共同通信)
OMSは大阪ガスグループの(株)アーバネックスが経営、(株)プラネットワークが運営してきた。2002年12月で閉館。 1985年3月に、遊休不動産の活用事業として大阪ガス北支社を改装してオープンした。多目的施設としてのフォーラム、コロキューム、雑貨店スーベニール、カフェレストランスタッフを備えた複合型の文化施設という、従来にない施設であった。
当初3年間の暫定利用としてスタートしたが、その後1991年にはギルドギャラリーがオープン、92年にはコロキュームを常設のミニシアターとして新装オープンし、94年にはOMS10周年記念事業の一環としてOMS戯曲賞をスタートさせた。特にフォーラムは“関西の小劇場のメッカ”と呼ばれ、数多くの劇団がその舞台に立つことを目標にしていた。また2000年からは、OMS周辺の飲食店・ギャラリー等と提携したサロン企画「扇町Talkin’About」をスタートさせ、扇町界隈全体の文化的活性化を図ってきた。
OMSの運営を継続していくにあたっては常に「陳腐化」とのたたかいをつづけてきたという。オープン当時にはそれぞれ希少価値として存在した小劇場・ミニシアター・雑貨店・カフェレストランはその後街中にその数を増やし、チェーン化が進み、相対的にその価値を低下させた。そうした中で、複合施設としての存在価値をいかに発揮していくか、いかに独自の文化発信を続けていくか、表現者とともにある「劇場」がいかに「表現者」と「観客」をつなぐ存在になり得るか、を常に意識し腐心してきたわけだ。
このたび、OMSが入居しているアーバネックスOMSビル(1954年建築)が老朽化したため(築50年だ!)解体することとなり、OMSの閉館を決定した。
なお、本年で第9回を迎えるOMS戯曲賞については、大阪ガスグループが当面継続して実施していく。
扇町ミュージアムスクエア(OMS)
OMSのフィナーレを飾るお祭りイベント「LOVE! LOVE! OMS!」3/14〜16
14日 松尾スズキ&河原雅彦スペシャルバラエティショー
16日 OMSシンポジウム
「4時間でOMS18年間を飲みしゃべる」
フォーラムステージがOMSゆかりの飲み屋「正宗屋」に変身!そこを舞台に繰り広げられる裏OMSトークショー!!年代別にその時代に関わった表現者やスタッフが続々登場し思い出やエピソードを語るOMS版「プロジェクトx」?涙無しには聴けません!
出演
内藤裕敬、いのうえひでのり、松本雄吉、土田英生、岩崎正裕、蟷螂襲、川下大洋、山内圭哉、転球劇場、流山児祥、深沢敦、サカイヒロト、樋口美友喜、池田祐佳理、芳崎洋子、上田一軒、横山拓也、竹内佑、ほか
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