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2003.2.11
劇場が「お金」を発行する!

また平田オリザ氏がやってくれた。今度は劇場が「お金」を発行して流通させようという試みだ。

埼玉県富士見市に昨年11月にオープンした市民文化会館「キラリ☆ふじみ」は、オリジナルの通貨「アーツ」を発行する。1アーツは1円。発案者は同館総合プロデューサーの平田オリザ氏。

システムはこうだ。同館のポスターやチラシ作り、会場案内などの作業を手伝うともらえるのがこのアーツ紙幣。これまでは4時間1000円(日本国の通貨)程度の謝礼が「ボランティア」に対して支払われていたが、今後はこのアーツとなる。実際にアーツの発行を担当するNPO「日本アーツセンター」(事務所・東京、認証申請中)では、これらの作業に対しては1時間1000アーツ程度と見ている。

問題は、このアーツ紙幣がどこで使えるのか、だ。現在のところ、同館の公演チケット代や施設使用料として利用できる。将来的には地域をまたいで複数の劇場でアーツが流通できるようにしたいというのが平田氏の考え。すでに、平田氏が助教授を務める桜美林大学のゼミの学生が神奈川県相模原市に今春オープンする大学の劇場施設での発行を計画しているという。また、平田氏がオーナーとなっているアゴラ劇場もアーツの発行やネットワーク化を検討しているという。

劇場側が出す謝礼支出を減らし、それでいてボランティアに参加する側の報酬をアップし、観劇や劇場使用への参加の機会をも増やし、劇場やボランティアへの市民の関心を高め、劇団にとっての施設料(小屋代)までもが減るという一石五鳥の試み、注目に値する。


現在、複数の事例が登場している地域通貨だが、今後、増加すると予想される。
日本アーツセンター(NPO認可申請中)
キラリ☆ふじみ


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