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2003.1.31
演出家蜷川幸雄、桐朋短大の学長に

 演出家で桐朋学園大学短期大学部教授の蜷川幸雄氏(67)が、同校の学長に就任したことが30日、明らかになった。同校は来年4月から「桐朋学園芸術短期大学」と改称し、学科、カリキュラムの再編を文科省に申請中。同校の顔として俳優、スタッフの育成に尽力する蜷川氏は「演劇人として、現場の熱を人材育成に反映させたい」と話している。

 蜷川氏は93年から10年間、演劇専攻の教授を務めており、週1回の講義と学科生の公演指導などを担当してきた。同校は現在、舞台俳優、スタッフやアーティスト育成をさらに重視する「芸術短大」への改称を申請中で、学校側が指導力、知名度とも抜群の蜷川氏に学長就任を要請。学校側の熱意を受け、同氏が就任を承諾した。関係者によると任期は来年3月末までだが、その後も続投の可能性があるという。

 要請当初は05年までびっしりのスケジュールなどを理由に就任を固辞したというが、学校側の熱意もあって承諾したという。学長としての事務作業はなるべく学校幹部に任せ、アーティスト養成専門の“現場学長”として手腕をふるうことになる。

 同校の演劇専攻の前身は、60年代までに幾多の名優を世に出した俳優座養成所。演劇専攻発足当時は、故・千田是也氏ら第一線の演出陣が教壇に立ったという。「当時のように、現場の風を人材育成に反映できる場をつくりたい」が蜷川学長の願い。学校関係者はも「芸術系教育を推進し、大学の特色をPRするのに適任。万全のサポート体制を整えたい」と話している。

桐朋学園大短期大学部 64年に桐朋学園大の短大部として設立。当初の学科は文科と音楽科。66年に俳優座養成所を吸収する形で、音楽科を芸術科(音楽専攻、演劇専攻)に再編。現在は文科に118人、芸術科音楽専攻に139人、同演劇専攻に131人の学生が在籍。東京都調布市。

(スポーツニッポン)


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