2002.11.21
戯曲「海と日傘」日韓でそれぞれ上演
2003年春、劇作家松田正隆さんの戯曲「海と日傘」を日本語バージョンと韓国語バージョンで、京都とソウルで上演する計画が進んでいる。京都市の京都芸術センターが、演劇人と観客がそれぞれの個性を認識し、刺激し合うねらいで企画した。戯曲の普遍性をあぶり出しながら、民族や文化を問い直すのが狙い。
「海と日傘」は、劇作家松田正隆さんの岸田賞受賞作品。九州を舞台に細やかな感情の起伏が日本人の生活風習を通して描かれる。日本語版は劇団青年団の三浦基さん、韓国語版は国内で活躍する宋?浩さんの演出。三浦さんは「深く日常にかかわる土着的な芝居。どんな差異が出るか」。宋さんは「この作品は静かな日常が会話でつづられ、絵画のよう。韓国語に翻訳できない部分が一つの普遍性に向かっていけるかを見たい」と語った。
松田さんは「異なる文化に置き換えられた時、戯曲の本質が問われる。表面だけでなく、深いところで通底する普遍性を模索すれば、逆に根本的に交換不能な部分が見つけられるかも。長い期間をかけ繰り返していくことが大切」と話す。
(※?は王へんに宣)
(「京都新聞」より)
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