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2002.10.19
「日本映画再建」に学ぶ「日本演劇再建」

北野武監督作品のプロデューサー・森昌行氏(オフィス北野社長)が朝日新聞「私の視点」(2002.10.19朝刊)に「日本映画再建」をテーマに寄稿している。

日本映画の状況は「悪くなる一方」であるとし、「若い才能や撮影技術では外国と比べても遜色ない」にもかかわらず、ということで日本映画の現状を以下の4つに分析している。

1、日本では「映画は産業である」という視点が欠落している
「映画は夢とロマンだ」とされ、産業ではなく道楽であるとみなされている。わが国にもフィルムコミッションが育ちつつあるが、ハリウッドは映画制作が「経済行為」であると理解しており、ロケ地には「金が落ちる」という重要さを知っている。

2、資金面の問題>資金調達が硬直化している
海外における映画制作では、その資金調達法において、企業への融資制度と同じ論理が採り入れられている。日本には文化庁の支援金制度があるが、「お金をあげる」だけで「回収」しないため、次につながらない。

3、映画業界の不透明な体質に問題
映画館はいまだに「もぎり」を行っている。真の観客動員数を把握できない。出資者への決済が提示しようがない。これが不信感を招き、「映画への出資はもうこりごり」となっている。

4、(最も重要な問題)真のプロデューサーがいないこと
クリエーティブな面に理解のあるプロデューサーはたくさんいる。しかし、ビジネスの重要性を理解している人が極めて少ない。映画は「夢とロマン」では食えない。生き残れない。


涙なしには読めない。上記の「映画」を「演劇」と置き換えても、まったく同じである。(じ)


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