2002.09.26
舞台美術盗作訴訟に最高裁が決着!
演劇界の有力者・鈴木忠志が率いる「劇団SCOT」の舞台美術が「盗作だ」と訴えられていた。訴えていたのは韓国籍の造形美術家・金恵敬さん。このたび、最高裁にて劇団勝訴の判決が下った。
問題となったのは1995年11月に東京で開かれた演劇祭で同劇団が上演した「赤穂浪士」の舞台美術。卒塔婆のような板が林立する舞台装置が、金さんの造形美術作品に「酷似している」として訴えたもの。金さんは「韓国の古代遺跡から着想を得た私の作品に酷似している」として「記者会見を行い」、その結果「全国紙各紙で大きく取り上げられた」という。双方が提訴し合っていた。
最高裁は二審・東京高裁判決を支持し、上告棄却を決定、金さんの「著作権侵害の請求」を退け、「記者会見」に対する劇団への慰謝料など、280万円の支払いと謝罪広告掲載を命じた。
二審判決は「著作権法で保護されるのは『表現したもの』であって、表現手法やアイデアは対象外」としている。その上で二つの作品について検討し、「作品として類似しているとはいえない」と結論づけた。
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