2002.07.17
TBS林美雄アナウンサー、死す
ほとんど誰も知らないだろうが、TBS林美雄アナウンサーが、13日午前5時10分ごろ、肝不全のため入院先の東京都港区内の病院で亡くなった。58歳。4年半前に胃がんが見つかり、手術で切除した。一時は回復したが、昨年再発。今年、再び体調を崩し、入退院を繰り返していた。
林さんは67年にTBSにアナウンサーとして入社。ラジオの深夜放送が若者文化に大きな影響を与えた60年代後半から70年代に「パックインミュージック」のパーソナリティーを担当した。その番組内で、後に有名となる数々のミュージシャンやタレント、作家、映画などを最初に紹介した。そして、演劇も。
とにかく、まったくの無名の新人の楽曲や名前を最初にオンエアした。例えば、サザンオールスターズ、荒井由美、タモリ、おすぎとピーコ、橋本治と桃尻娘、YMO、光州事件、などなど。サザンやYMOが流れてきたときの興奮は忘れられないが、もっとも衝撃だったのはタモリだ。タモリの数々のネタがオンエアされた日の翌日の学校で、「昨日聞いたか?」と盛り上がった瞬間が忘れられない。(筆者、ひとり遠くを見る目・・・)
そして、夢の遊眠社やミスタースリムカンパニーの名前や音を最初に聞いたのもこの番組だ。考えてみると、前述したような数々の秀作と並んで、演劇が採りあげられていたことのすごさを思う。かつて、最先端の面白いものを発掘する番組では、演劇も採りあげられていたのだ。今はどうだろうか・・・。
ご冥福をお祈りいたします。
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