2002.07.02
山口情報芸術センターが市民アンケート
2003年オープン予定の「山口情報芸術センター」は、施設の計画見直しが話題となっているが、このたび実施した市民アンケートの結果を発表した。それによると、若者の集客に有効と考えられている「情報機器を使うメディアラボやスタジオ機能」を「必要ない」と答えた人が「必要」と答えた人を上回ってしまったという。
発送した4471通のうち、回答は1642通(回収率は37%)。「計画通り建設を進めてほしい」としたのは211人で、約1割にとどまったた。「事業計画や建設費、運営費を改善すべきだ」とした人は960人と約6割に達した。
さて、施設の機能に関する質問で、当初計画の中心に位置づけた「多彩な芸術文化と情報をさまざまな機器を活用して提供」は「必要」(36%)が「必要でない」(37%)を下回った。「分からない」も25%あった。
また、完成後の事業計画に関する質問では、予定する13事業のうち「必要」との声が半数を超えたのは「市の情報をデジタル保存して提供する事業」(58%)など五つのみ。残る「メディアアートの展示、制作」(24%)、「演劇・ダンスなど舞台芸術」(31%)には拒否感が強かった。
fringeがトピック(2002/6/24)で解説しているように、演劇文化に対する理解そのものが低いのだから、「必要」が少ないのもやむをえないものだと思う。ただ、ちょっと情けない気がした。(じ)
【情報追加】
山口情報芸術センター(YCAM)見直しの情報サイト
アンケート結果ページ
アンケートの結果の概要(必要率の多い順:単位%)
項目 | 必要 | 不必要 |
山口市に関する有用な情報や記録をデジタル保存し、他機関との連携による情報提供をする事業 | 58 | 18 |
教育機関と連携した共同授業の研究・発表や芸術祭などの事業 | 57 | 22 |
公民館、学校図書館、地域文庫などと資料貸出面で連携・協力する事業 | 57 | 24 |
百科事典や図鑑などの電子資料(CD-ROM等)をそろえ、利用者各自で調べられる機会を提供する事業 | 57 | 23 |
芸術文化の研究発表や作家による講演会・参加体験学習などを行う事業 | 52 | 30 |
対面朗読、読み聞かせ、情報などの図書館ボランティアを受け入れ、養成する事業 | 48 | 27 |
音楽などの録音資料や映画などの映像資料をそろえ、視聴できる機会を提供する事業 | 48 | 31 |
映画、ドキュメンタリー、アニメーションの上映を行う事業 | 46 | 35 |
作家と市民との共同企画で実施するイベントや市民と施設側の共同企画・運営による地域文化再発見プロジェクトなどの市民が参画する事業 | 44 | 28 |
市内全域で移動図書館による図書の貸し出しを行う事業 | 44 | 37 |
コンピュータ・編集機器等を備えたメディアラボで作品制作や情報提供を行う事業 | 42 | 33 |
演劇・ダンス・身体表現など新しい表現形態を試みる舞台芸術作品の制作や公演を行う事業 | 31 | 44 |
メディアアート(情報技術を活用した作品)の展示・制作や、パフォーマンス(特に映像などの最新技術を取り入れたダンスなどの身体表現)の公演・制作を行う事業 | 24 | 47 |
|