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(442)

2001.10.03
NYの日本人俳優(2)

舞台・俳優そして芝居
sceneII

私は今バットシアターカンパニーの「ビリー・ザ・キッド」と「ノー・マザー・トゥ・ガイド・ハー」に出演している。このふたつの芝居は19世紀の後半に書かれ、「ビリー・ザ・キッド」は西部劇、「ノー・マザー・トゥ・ガイド・ハー」は銀行強盗団を題材にしたメロドラマで、当時ニューヨークで大センセーションを巻き起こしロングランした芝居だ。

しかし今どき“メロドラマ”をやる劇団なんてまず皆無といっていいくらいない。この作品も“アメリカズ・ロスト・プレイ”というコレクションからカンパニーのディレクター、ジム・シンプソンが探し出してきたもので、いかにもアバンギャルド好みの彼らしい発想だ。今の演劇人にとって、“メロドラマ”は蔑称であって、敢えてこれを演出して舞台にしようなんてことは考えもつかないと思う。

もともとメロドラマとは19世紀のアメリカでよく使われた演劇の形で、せりふの調子に合わせた音楽や活発なアクションに、大袈裟な演技、あやふやな芝居の筋、そして結末の見えるドラマに客は笑い涙したものだ。演出や脚本もその芝居に出演している俳優たちによってされることが普通だったらしい。カンパニーはこの芝居の公演計画を今年の初めに決め、2月からメンバーによる読み合わせが始まった。ちろん19世紀のアメリカの芝居にアジア人の役なんかあるはずが無い。しかし白人の親が黒人の子供を連れている事が決して珍しい事でない21世紀のニューヨークで、ダウンタウンのアバンギャルドな劇団がそんな事にこだわるのがおかしい(意外とこだわっているのは私自身だったりして)。

そしてオーディションが6月に行われた。オーディションはカンパニーの独特なやり方で、自分の希望する役を選んで、その役のオーディションを受けることができるのだ。私は考えた末、自分のやる役はこれしかないと主役で挑戦した。もちろん不安がないわけではないが、自分なりに準備をしてきたから自信がないわけでもない。それから2週間後キャスティングの発表があった、しかしそこには私の名前はなかった。

(投稿)


すごく面白いんですけど・・・(じ)


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