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2001.09.23
NYの日本人俳優(1)

ActI
sceneI

現在、私はニューヨークでバットシアターカンパニーのメンバーとして俳優、パフォーマーとして活動している。劇団の規模は日本でいう小劇場的なもので、マンハッタンのトライベッカにザ・フリィという劇場を所有し、劇団の芝居はすべてそこでおこなわれる。劇団は1997年に発足、私はその時からのオリジナルメンバーで、99年にやったオリジナル「Benten Kozo」で主役を演じ、芝居はその年のオビィ賞(オフブロードウェイのトニー賞)を獲得した。ザ・フリィではその他にもさまざまな芝居、ダンス、ミュージックパフォーマンスなどが催され、バットシアターカンパニーはここ数年で、“ニューヨーク・ダウンタウンシアター”の中心的グループにまで成長してきた。

最近はニューヨークでも日本人の俳優をよく見かける。日本で経験のある人、ニューヨークの演劇学校で学ぶ人、ニューヨークで俳優を始める人などとそれさまざまではあるが、しかしいずれにしろ外国で俳優をやろうと思うなら、まずその国の言葉を学ばなければならない。もちろんニューヨークの場合は英語である。我々日本人にとって英語は、フランス語やイタリヤ語よりも馴染みのある言葉だと思う。なにしろ中学校で一応の基礎は習得しているはずだから、そんなに難しい事ではない。ただ、ニューヨークという街はその独特な色があって、しいて英語をしゃべらなくても俳優をやってもいける。スペイン語やヘブライ語、または日本語だけで芝居をするグループもあり、それでお客が集まってくるのだからさすが人種の坩堝、コスモポリタンな街である。そんなニューヨークという街に世界中からさまざまな人種が、俳優アクターという職業を求めてやってくる。彼らにとって英語は第二外国語だからみんな必死で英語をマスターしようとする。それは日常会話の英語ではなく俳優としての英語でなければならないわけであるから、その学習も並大抵のものではない。もしニューヨークで俳優をやりたい、英語で芝居をやりたいと思うならまず言葉の勉強から始めてみては。

ニューヨークといえばブロードウェイミュージカルと一般の人は思うだろうが、ここシアターのメッカでは、それ以外にも300以上の舞台が毎日マンハッタンのどこかで行われている。とくにイーストヴィレッジからローワー・イーストサイドのエリアにかけて、ユニークなオフオフブロードウェイの劇場が多い。一見外から見るとアパートのような建物の中が劇場だったりするものや、1階から5階までがすべて劇場の築うん十年の建物。また古い教会や学校をダンスやパフォーマンスができるように改築したり、倉庫街の一角に突如とある劇場など、小さな劇場がこのエリアにはところ狭しとひしめきあっている。そんな今ニューヨーカーの間ではこのオフオフブロードウェイ、通称“ダウンタウンシアター”が新世代の才能の宝庫として熱い注目を浴びている。客席数が千席以上もあるようなブロードウェイの舞台では絶対に演じられる事のないシュールなもの。舞台装置や照明にもお金のかかっていない御粗末な、手作りというのがいかにも明らかな舞台に、アーティストの意気込みだけが感じられるそんなオフオフブロードウェイ。演劇、ダンス、パフォーマンスなどニューヨークのダウンタウンを中心に、クリエイティブなアーティストがアバンギャルドなステージを創り個人(自分)を表現する。ステージも狭く客席も50席ほどで、パフォーマーの汗、息、熱気がそのままオーディアンスに飛び掛かってきそうな迫力のある舞台。そんな“ニューヨーク・ダウンタウンシアター”は今、熱くはじけている。

(投稿)


あえて、何もコメントせずに載せてみました。(じ)


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