東京の神田神保町に日本で初めてという演劇専門書店「GOLDONI（ゴルドーニ）」が誕生した。店の広さは５坪ほど。本以外にも劇場や劇団入団案内なども展示されている。

棚には2000冊余りが並べられている。ペルシャ絨緞が敷かれ、イタリア製ソファが置かれている。さて、この書店を作った物好きな店主はといえば・・・宮島惠一氏。

宮島氏は現在、劇場運営の研究を行う「劇場総合研究所」を経営している。氏は「趣味が嵩じて」の開業というわけではない。目的は「演劇の再興」「演劇の復権」だという・・・。

宮島氏は演劇ビジネスを学ぶために劇団四季に入り、その後、夢の遊眠社の運営会社の代表となっていた経緯を持つ。演劇制作のプロであり、劇場経営・運営の専門家でもある。その氏が「演劇の再興」と言う。演劇って、いつすたれたのだろう。

氏曰く「売り上げが上がると良い演劇になり、客が多いとそれが立派に見えるので、人気のタレントを使って話題を作ることが多い。それを狙ってプロデュースするのが一般的です。それも考え方で、携わる人の生活もありますから、あってはならぬと言うわけではないのですが、そういう流れに抗したい。演劇にはエンターテインメントや娯楽ではない部分があります。小難しい演劇でも、今の時代に受け入れられるものを私たちの方から作れるのではないかと思うのです。そのためには演劇に携わる者がもっと勉強をしなければいけない」と。

（日経流通新聞　2000.10.7　より）

千代田区神田神保町1-18
電話03-3518-2771　日・月曜定休　営業時間13時〜19時
ホームページ：ゴルドーニ

ある意味では、確かに廃れているんだね。「ゴルドーニ」よりも宮島氏の今後の活動に注目したい。（じ）