演劇の村として世界的に知られる富山県利賀村で、今夏から新しい取り組みとして開催された「利賀サマー・アーツ・プログラム」が盛況のうちに閉幕した。昨年で終了した世界演劇祭「利賀フェスティバル」に代わる舞台芸術の祭典で、日本初の演出家コンクールや演劇講習などの催しに全国から若手演劇人や演劇ファンら約四千五百人が集まったという。

来年以降も内容を充実させて継続し「世界のＴＯＧＡ」の夏の一大イベントとして定着を目指す。

演出家コンクールには、東京や大阪、名古屋、福岡など全国から六十件の応募があり、書類審査を通過した二十五件が、県利賀芸術公園で最終審査となる課題戯曲による舞台公演に臨んだ。結果、最優秀演出家賞はペーター・ゲスナー氏（上演作品『紙風船』・利賀山房）、優秀演出家賞は外輪能隆氏（上演作品『バーサよりよろしく』・新利賀山房）の受賞が内定した。「内定」というのは、この正式な「承認」と表彰が９／１６利賀で同演目を再演したものを舞台芸術財団（演劇人会議）会員が観てから決定するという手順を踏むため。

ペーター氏は、北九州「うずめ劇場」主宰。外輪氏は「エレベーター企画」。