2000.07.06
ネット劇団 京都で旗揚げ メールで台本! HPで呼びかけ
作家のホームページに掲載された脚本をきっかけに、インターネットでつながった若者や演出家らがこのほど、劇団を旗揚げした。作家と演出家がEメールでやりとりしながら台本を練り上げ、その台本に感動した若者がネットで俳優に応募して生れたインターネット劇団「連」は八、九の両日、京都市東山区のスペースイサン東福寺で初公演を行った。
作家の池窪弘務さん=奈良県=が昨年、演出家の小倉富義さん=京都市上京区=とメールでやりとりしながら書き上げた脚本をホームページで紹介した。メールを見た人から問い合わせが相次ぎ、なかには「この役がやりたい」という人も現れた。そのため、池窪さんは仲間らに声をかけ、スタッフを編成。ホームページで出演者を募集したところ、宇津道子さん(23)=右京区=ら女性三人が集まり、昨冬、見ず知らずの人々が初めて顔を合わせた。初公演の「瓶の中」は、小さい時から瓶の中で育った少女の夢の中へ、見知らぬ男女が迷い込む物語。中京青年の家などで演劇に取り組む吉本美和さん(26)=左京区=はネットで、表現の場を探していたという。せきついなどに生まれつき障害のあるホームページ制作の森田かずよさん(22)=大阪市=は「障害者のいる劇団はまだ少なく、参加できる劇を探していた。人間はだれでも輝ける場があるはず」と、語り手として重要な役を担当する。
池窪さんは「演劇を書く人、演じる人、観る人など、いろんな立場の人の参加できるネットワークがあればと思っていた。ネットを通じて知らない人と出会え、何かが始まる新鮮な予感がする」と話している。
公演は7月8日午後六時半、9日午後一時半、五時開演。当日1800円。問い合わせは高畑さん 電話075(934)5949へ。
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