2000.05.18
これはブームと呼ぶべきか、期待の創作ミュージカル登場!
演劇界の異才が手掛ける初の創作ミュージカルが6月に相次ぎ上演される。東宝や四季が大資本をバックに上演されることの多いミュージカルであったが、ここに来て新しい試みが登場した。
「王様のレストラン」や「古畑任三郎」などの人気テレビドラマの脚本を書き、舞台でも喜劇作品で定評のある劇作家、三谷幸喜が初のオリジナルミュージカル「オケピ!」に挑戦する。ミュージカル上演中のオーケストラピットを舞台に設定、奏者間の愛情関係を描く。
脚本・作詞・演出を手掛ける三谷は「日本を代表するオリジナルミュージカルがない。世界に通用するミュージカルをとりあえず作る必要があると思った」と意気込みを語る。6月から東京・青山劇場、7月が大阪・厚生年金会館芸術ホールと東阪で公演がある。
また、岸田戯曲賞を受賞し、毒のある笑いで現代社会の欺瞞(ぎまん)を突く作品で注目されている劇団「大人計画」の松尾スズキも6月に、東京・渋谷のシアターコクーンで初のオリジナルミュージカル「キレイ」を上演する。記憶喪失の女の子がたくましく成長していくサクセスストーリーだ。
演出も担当する松尾は「自分の演劇は過剰な物語を一気に見せるパターンで、そういうミュージカルは今までなかった。人間の本質はナンセンスでグロテスクだが、一方できれいな物語性を追い続ける。そんな思いからキレイという題名にした」と意欲を燃やす。
|