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(254)

2000.04.08
新国立劇場・平成11年度有料入場者率資料より

[例題]
以下は、新国立劇場が資料として発表した、平成11年度主催公演における有料入場者率を表にしたものです。この表からわかること、考えられること、感じることを述べなさい。

(オペラ)(オペラ劇場)

公演時期演目有料入場者率 (%)
平成11年4月こうもり81.4
6月罪と罰72.8
8月蝶々夫人
(高校生オペラ鑑賞教室)
83.5
9月仮面舞踏会83.0
11月マノン・レスコー74.5
12月蝶々夫人(再演)81.4
平成12年1月ドン・ジョバンニ79.5
2月セビリアの理髪師(再演)81.4
3月沈黙78.1

(バレエ)(オペラ劇場)

公演時期演目有料入場者率 (%)
平成11年6月「トリプル・ビル」77.8
10月白鳥の湖(再演)79.3
12月シンデレラ86.3
平成12年2月「トリプル・ビル」62.2

(現代舞踊)(特記のないものは小劇場)

公演時期演目有料入場者率 (%)
平成11年4月エロスの部屋
〜黒い乳母車〜
73.5
9月現実との3分間/非現実との3分間
〜ピアソラへのオマージュ
68.4
11月神曲 (中劇場)57.7
平成12年3月舞姫たちの午後73.5

(演劇)

公演時期演目・公演劇場有料入場者率 (%)
平成11年5月セツアンの善人 (中劇場)99.3
6月羅生門 (小劇場)72.3
7月棋人−チーレン− (小劇場)54.0
10月キーン −或るいは狂気と天才−(中劇場)42.0
11月美しきものの伝説 (中劇場)49.4
12月かくて新年は (小劇場)42.8
平成12年1月怒涛 (小劇場)59.3
2月華々しき一族 (小劇場)66.6

※この資料についての問い合わせ先

新国立劇場制作部企画制作課広報室 03−5352−5747


他の劇場と比べてこの数字がどうなのか、ということはわからないのですが(だいいち他の劇場でこのような数字は公表されているのでしょうか?)、演劇が他に比べて率にばらつきが大きいのは、それだけ演劇が他のジャンルに比べて多様化している・・・ととったんですけど。「セツアンの善人」が異様に数字が高いのは、ひとえに松たか子・高橋克典という主演の力ゆえでしょう。「キーン」は、中劇場での公演、ということが率の低さになってしまった気がします。以上、一観客としての感想でした。(と)


裏方の世界では、この2年ぐらい「芝居にはお客が入らなくなった」と、まことしやかにささやかれております。有名劇団でさえ、以前に比べれば動員が減っていると。なんとなくそんな気がするのは確かなのです。クラブだゲームだ携帯電話だと忙しいガキんちょが、わざわざ足を運ばなくなるのは理解できますもの。ただ、上記の結果はそういうものとはちょっと違う。まず、オペラとかバレエの演目って、めちゃめちゃメジャーですよね。演劇だって、「放浪記」とか「屋根の上のなんとか」とか「オペラ座のなんとか」とか「コーラスライン」とかやれば入る。誰が演じているかじゃなくて、作品名で入る。それは可能でしょう。さらに、リピーターです。オペラとかバレエとかって、そのジャンルの固定ファンが見れる作品を提供している。演劇ファンの場合、公演の数も多いし、リピーター率が高くないんじゃないのかしら。いずれにしても、動員を考えたラインナップしてないことは確かだね。それは素晴らしいと思うけど、それで助成が減らされたらやばいかもしれない・・・というのは杞憂でしょうか。(じ)


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