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ぴあと演劇、その活性化のために (3)

2001.2.6
演劇市場の現状、ぴあの現状

今回初めて聞いたんだけど、演劇の総市場って、1500億円とか2000億円って言われているらしい。でも、実際には1000億ぐらいだろうっても言われている。そんで、そのうちの半分を四季と松竹とかの大手数社で占めているとか。ちなみに四季の99年の売上は190億円ぐらい。数社で500億ってのは間違ってないだろうね。残りの3000劇団ぐらいで500億円市場を分け合っている。ちなみに映画の国内興行収入は99年1800億円。ゲームソフトが4500億円で、CDが5000億円で、ビデオが4000億円、マンガが5000億円。

んで、演劇市場が1000億円で、チケぴの演劇部門売上が120億円ってのは、どうなんだろう。大手は自分とこで売ってたりするとしても、ぴあの対象とするのは数百億円のマーケットだよな。うーむ、もっと売れてもいいって思ってんだろな。まあ、競合他社もあることだし、そう簡単じゃないんだろうけど。でも、部長さんも「もっと、チケット買って欲しいんです。」と言ってたっけ。

さてさて、チケットぴあの考察はこんくらいにして、本題の情報誌ぴあのリニュアルの件に戻ります。

情報誌ぴあの(演劇頁)ユーザーってのは、チケぴユーザーと同じってわけじゃない。情報誌ぴあのユーザーには大きく二つのパターンが考えられる。一つは、チケぴで前売券を購入する前提で、前もってスケジュールを決めておきたいと考える人たち。チケット買う買わないにかかわらず、先のスケジュールを知りたいというユーザーは少なくないだろう。その人たちにとっては今回のリニュアルは意味のあることだ。ただ、情報が削られていて、必ずしも満足できるもんじゃないけど。

もう一つ、「その週の情報が得られればいい」「直近の情報だけでいい」「芝居は当日券で見る」というようなユーザーだ。この人たちは、今回のリニュアルにはかなり抵抗を感じているだろう。それこそ、「チケぴユーザーだけ優遇して、オレら斬り捨てかい?」とかぶーたれていることだろう。

部長さんは、「チケぴで扱わない情報も、なんとかして載せたい」ということは言っていた。斬り捨てるつもりはないし、演劇の活性化のために、これまで同様、役立っていきたいという。「うちの社長も今年から日本劇団協議会の顧問に就任したことだし」だってさ。そりゃもう、がんばっていただきたいもんです。

でも、いまのままじゃ、やっぱり情報誌ぴあは、その雑誌だけでは、中途半端な感じがするよね。「詳しい情報は@ぴあというインターネットのサイトで確認してね」ってなもんだ。雑誌は雑誌で頑張ってもらいたいんだけどなあ。2種類のユーザーに満足の行くリニュアルを行なって欲しいんですよねえ。あと、情報を出す側の劇団にとっても満足が得られるものであって欲しいわけです・・・。

結局、情報誌ぴあが、様々なユーザーに役立つようになるためには、ぴあの中での演劇部門・演劇事業部の地位が上がるしかないようにも思える。事業部売上が伸びるしかないんじゃないのかと。そりゃ、バブリーな時代が続いてて、ぴあがウハウハ儲かっていりゃあ、そんなにきついことも言われないんだろうけどね。景気はけっこうヤバイ状態が続いている。それでいて、ぴあは電子チケット事業にかなりの資本をぶっこんでいる。いろんなとこが電子チケット事業には関心を持っているみたいだけど、やっぱそれは、ぴあがやるべき事業であると、私なんかは思ってしまう。革命はぴあのおシゴトなんだから。そのためにも、かなりお金が必要なわけだし、資金調達って意味では株式公開も必要だろう。採算の悪い部門に効率化が求められるのは世の流れだもんね。まあ、だからと言って、「効率化」ってのはそんなに単純でもない気がする。情報提供者であるところの劇団からのお金を多く取るってのは、どうなんだろうなあ・・・?

さて、整理しましょう。問題点は、「チケぴ扱い量の多さに比べ、売上が少ない」ってことなんでしょうね。チケぴ収入が重要なのに、「チケぴ扱い劇団の公演情報が本番のギリギリにしか載らないのは問題」というのも正しい指摘だと思う。だから、今回のリニュアルの方向は間違いとは言えないんでしょう。ただ、だからと言って、情報が削られたことで、使用感が悪化したと感じている人は確実にいる。また、劇団サイドも、チケぴの登録料値上げに対して抵抗を感じている。チケぴの扱い数が減るかもしれない。それはそれで効率アップにはなるのかもしれないけど、もしマジで減ったら、もう美辞麗句には騙されないぞ、って思うよ。

やはり、ぴあのこれまでの姿勢である「演劇を活性化したい。」という意気込みを継続しながらも、演劇事業部の地位を高め、社内における発言力を強めるという両立のためには、いまのやり方はまずいようにも思う。かと言って、どうすりゃいいのか・・・。さて、どうしましょうか。

1、観劇人口が倍増すればいいじゃん。
2、チケぴ収入以外の収入が演劇事業部にもたらされればいいじゃん。
3、演劇を活性化させるのは、演劇界が自分でやればいいんじゃないの?(民間企業に頼るのがおかしいじゃん)

さて、どうでしょうか。

−−−>具体的な提案に続く予定
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